自己PR作成の基本

「1分程度で自己PRをしてください」面接ではこのような質問は典型的です。また、エントリーシートや面接カードなどに自己PR文を書かなければならない場合も多いでしょう。

しかし、「自己PRがうまく作れない」「自己PRで何を言えば良いのかわからない」といった悩みを抱えている人も多いのが現実です。そこで、この記事では、自己PRをどのように作れば良いのかについて解説していきます。

自己PRで面接官は何を見ているのか

面接での質問には、それぞれ採用側の意図があります。意図がわかりにくい質問も中にはありますが、「自己PRをしてください」という質問の意図は比較的容易にわかるはずです。

それは、自分の人材としての「強み」を自己申告させることで、採用後に組織に貢献できる能力・性格を持っているか」を見極めるという意図です。

そして、同じ「自分をPRしなさい」という質問でも、それを発しているのが誰なのかによって回答すべき内容が異なります。極端な例ですが、お笑い番組のオーディションで面接されているのであればやはり「自分が面白い」ということはアピールしなければならないでしょう。一方、警察官の採用試験であれば、「真面目」「誠実」「素直」、また「へこたれない姿勢」などが求められるだろうと思います。つまり、採用側が求めている人材像に合っている点を挙げてアピールしなければならないのです。

採用側が求めている人材像に合致するような能力・性格であれば、それを説明するためのエピソード(ネタ)はなんでも構いません。一見関係なさそうに思われる事柄であっても、説明の仕方によっては説得力のあるアピールになる場合も多々あります。ただし、ただ単に「現在の自分の性格」「現在持っている能力」といった内容ではなく、過去の経験や実績・成果などから説明できる内容であることが必要です。

コンピテンシー(行動特性)を示すために過去の経験からアピールする

単なる「現在の事実」ではなく、過去の経験や実績・成果などからアピールすべきだというのは、面接官がどのような方法で応募者を評価しているのかと関係があります。

面接の場で現在一般的に採り入れられている考え方は「コンピテンシー面接」です。これは、過去に直面した課題に対してどのように考え、どのように対処したのかという行動特性(コンピテンシー)を見極め、将来の課題に対する行動を予測するというものです。これは、良い成果・成績を残す人には共通する行動特性があり、それは過去の経験の中に現れているはずだという考え方に基づいています。

小難しい話はさておき、要は、「過去のこんな経験でこういう行動をとったのなら、将来こういう事態に直面しても同じように行動できるだろうと一応推測できる」といった程度のことだと思えば良いでしょう。

したがって、採用側が求めている人材像にマッチしていると思われる自分の「強み」を主張できるような過去の経験・実績・成果などを探し出して自己PRを作成するというのが基本です。

どの経験を自己PRの「ネタ」として使うのか

「採用側の求めている人材像にマッチしている自分の過去の経験なんかないよ」「それが見つかれば苦労しない」という人もいるでしょう。しかし、どんな人でも必ず「ネタ」は見つかります。

まず、「採用側の求めている人材像」から考えると先ほど述べましたが、現実には「求める人材像」について極端な特性に振りきれているような組織はあまりありません。中には「自分ひとりでも市場開拓できるようなバイタリティのある方」とか「出口の見えない膨大な作業についてもコツコツと地道に努力を厭わない方」、「弊社代表の「とにかくオモシロいことを探せ!」という考えに共感し自ら「オモシロ」を探し創造できる方」、などといった振り切れた人材像を提示している会社・組織もあるでしょうが、それはごく稀な例です。

多くの組織では共通して「仕事に対して誠実に取り組めること」、「向上心を持っていること」、「組織の一員として協調性をもって行動できること」、「適切にリーダーシップをとれること」など、ごく当たり前の人材像を掲げています。多少尖っていたとしても、ベンチャー企業などで「既存の価値観にとらわれず自ら新しい価値を創造する気概に溢れている人」といった程度でしょうか。

そう考えると、「採用側の求める人材像」を先に絞っておいてそこから自分のアピールできる経験などを探す、というプロセスを必ず経なければならないわけではありません。むしろ、自分の「強み」「長所」といったものを先に探し出し、それを採用側の求める人材像に合わせてどう表現するかを考えた方が効率的だともいえます。

自分の過去の経験の中で、他人に対して「誇れる」もの、「誇れる」とまでは言わないまでも「この経験では自分の良いところが出ている」と思えるようなものを探せば良いのです。

そのような「ネタ」になる経験としては次のようなものがあります。

目覚ましい実績を残した経験

転職の面接で、現職・前職において目覚ましい実績を上げた経験があれば有効なアピール材料になります。新卒であってもアルバイトなどで、売上アップなどの実績があればネタにするのも良いでしょう。サークル活動や部活動でも、大会において誇れる成績などがあればそれを挙げることができます。

どの程度を「目覚ましい」というのかは場合によりますが、「それを実現するのはそれなりに難しいことなのだろうな」と思われるような内容であればなんでも構いません。営業マンとして全国10位以内に入って表彰されたなどでなくても、数年来前年比割れを起こしていた売上高を上昇に転じさせたという実績でも大丈夫です。サークルや部活動においては、チームでの実績になる場合も多いと思いますが、その実績に自分がきちんと貢献したと話せるのであれば問題ありません。

「目覚ましい実績」と言えるような経験を持っている人はあまり多くはありません。したがって、このような実績がある場合は積極的に自己PRで使うことを考えてみましょう。

たくさんの「量」を積み重ねた経験

これは直接には「実績」とはいえないけれど、プロセスとして評価される経験です。「量」というのは、「数量」の場合もあれば、「時間的な量」の場合もあります。

たとえば、仕事で「年間500社の新規開拓営業を行い、300回の提案を行った」とか、「書道で1日必ず3作品完成させることを1年間行った」とか、「野球の自主練習メニューを毎日早朝2時間、6年間続けた」といった内容です。これらは、普通の人だとちょっと難しいのではないか、と思われるような「量」で「ほぉ、すごいな」と思わせるというものです。

あるいは、「サッカーを12年間続けています」「吹奏楽を9年間続けています」といった、長期にわたって同じことに打ち込み続けていることをアピールするという方法もあります。

伸び率が高かった経験

たとえば、「売上前年度比150%を達成した」とか、「配属営業所の新規顧客開拓数を1.5倍に増やした」といった、過去に比べて実績を飛躍させたという経験はアピールできます。これらは上記の「目覚ましい実績」ともいえます。「アルバイトで客単価110%を達成した」という程度でも大丈夫です。

あるいは「TOEIC450点から1年で780点にまで伸ばした」とか、「高校1年生の時は偏差値45だったが、大学受験期には偏差値65にまで伸ばした」といったものでも構いません。「バレーボール部で中学時代にはレギュラーにもなれなかったが、高校ではレギュラーとしてインターハイに出場した」という内容もアリです。急成長した経験はアピールになります。

過去に他の人がやっていた状態よりも状況を改善させた経験や、自分自身の伸びが大きかった経験はアピールになるのです。

オリジナルな切り口で考え実行した経験

「オリジナル」といっても、特別にユニークな切り口である必要はなく、自分なりの考えで物事にあたり実行したという経験を話せば良いでしょう。

たとえば、「営業所全体の売上が下がってきた際、既存顧客ニーズの把握の仕方にきめ細かさがないのではないかと思いついた。そこで、自社サービス内にはない内容についても顧客から聞き取りをするように試みると思わぬニーズが眠っていることに気づいた」といった内容であれば、マニュアル上「やれ」と言われていることだけでは不足があるのではと疑問を持って自分で行動したということをアピールできます。

また、「部活動で部員全員が激しい練習に耐えて頑張ったが結果が出なかった。私は練習量は足りているものの戦略面が弱いのではないかと疑問を持ち、指導の先生とも相談して戦略を勉強しチームに提案した」といったものでも良いです。

与えられたものだけに満足せず、自分自身の頭で考えて実行できるという面をアピールできるでしょう。

地道な努力を積み重ねてきた経験

他人から褒められるような目覚ましい経験がなくても、自分なりの考えをもって地道に努力を積み重ねてきた経験があればアピールできます。

たとえば、「私は経理として5年間働いてきました。間接部門として派手な面はありませんが、日々の正確な経理処理、忙しい決算期に対応できる事務処理能力を磨くため、日常的に経理に関する書籍で勉強を重ね、経理事務のフローに関しても改善案を提案してきました。」といった内容でも良いでしょう。

あるいは、運動部などであまり面白くない基礎練習をみっちり継続してきたといった経験でも「ネタ」にはなります。

他者に対して貢献した経験

ここまでの「ネタ」を読んでも、「そんなの自分にはないよ」とガッカリしている人もいるかもしれません。人生簡単なものではなく、人に誇れるような経験がなかなかないという人も多いものです。

実際、組織に入ってもトップ選手はごく一握りの人です。また、採用担当者も「エースで4番」のような人材ばかりを採用できないことは十分承知しています。したがって、「ネタ」は自分が「一流」であることをアピールするものでなくても良いのです。ヒーローがいれば縁の下の力持ちもいる、というのが組織の現実ですし、場合によってはヒーローよりも陰で組織を支えてくれるような人材を求めている場合もあります。

したがって、「目立たないけれど他者に対して貢献できる」といった「ネタ」でも良いのです。

たとえば、「私は中学・高校とサッカー部に所属していましたが、結局1度もレギュラーになることはできませんでした。レギュラーを目指して必死に練習していましたが、私はチームの中での自分の役割を考え、上級生と下級生の間の橋渡し役ができるように多くの部員と日常的にコミュニケーションをし、話しやすいメンバーだとみんなに認識してもらうように努力しました。実際、戦績が振るわずチームの士気が下がっていた頃、レギュラーメンバーからも、下級生からも多くの相談をもちかけられました。」というように、組織・グループの中で、目立たないながらも他者のことを考えて貢献しようと振る舞ってきたということもアピール材料になります。

このような役回りを実際に他者から評価された経験があれば「ネタ」として選びやすいのでしょうが、実際にはスポットライトが当たることがないため自分では自分の役割・価値を自覚できていない場合もあります。自己PRを作る上では、自分の過去の経験の中から「自分で自分を褒めてあげる」ということも必要なのではないかと思います。

筆者は、これまで多くの方の面接指導をさせていただいてきましたが、1人として自己PRを作成できなかったことはありません。どんな人でも自己PRの「ネタ」になるものはあるものです。「いやいやないんだよー」という人は「ネタ」が眠っているだけ、自分で気づいていないだけです。あるいは、世間で言われている「自己PRのイメージ」に影響されて、自分の中にないものを無理やりでっち上げているような場合もあります。実際、模擬面接をしてから相談していると、本人が自己PRにしようと思っていたものではなく、「これがあるじゃん!」というものを見つけることは多々あります。各自でご自身の経験の「棚卸し」をしてみていただきたいとは思いますが、どうしても難しい場合は、メンレンVを利用してみてください(笑)。

経験の表現は「事実」だけではなく「プロセス」を重視する

さて、自己PRに使う「ネタ」が決まったらその「表現」です。

ここで気をつけていただきたいのは、「ネタ」そのもの、つまり「事実」だけを伝えるだけではダメだということです。

たとえば、「営業マンとして表彰された」「売上前年度比150%を達成した」「TOIECの点数が900点にまで伸びた」「補欠からレギュラーになった」「グループを縁の下の力持ちとして支えた」などの事実・結果だけを知らされても、面接官はあなたの人材価値を十分に理解することはできません。

もちろん、目覚ましい実績を提示されれば、「優秀な人なのかな?」ぐらいは伝わるかもしれません。しかし、過去の実績は過去でしかなく、その当時所属していた組織の中で起こったことに過ぎません。採用された後に異なる環境の中で同じような実績を出してくれるかどうかは、事実・結果だけを示されても判断しようがないのです。

したがって、営業成績を上げたのであればどのような課題を発見し、対策をし、実行したのかについて述べなければなりません。勉強に関しても、どのような課題をクリアするためにどのような勉強方法を考え、また量的にどれくらいの勉強をすることで成果を出したのかが重要です。また、「組織の縁の下の力持ちだった」というなら、どういう場面で自分を捧げたのか、どのようなやり方で他のメンバーを支えたのかを伝える必要があります。

つまり、経験を提示する際に重要なのは、その経験の中にあるプロセスです。プロセスの中には、「自分で課題を発見し、対策を考え、それを実行した」という行動特性(コンピテンシー)が表れています。面接官が知りたいのはその部分であり、それを知ることによってその人の将来の行動を予測できるのです。つまり、「採用したら同じような行動で結果を出してくれそうだな」と面接官に感じてもらうには、各経験の中にある生身のプロセスを伝えることが大切だという事です。

目覚ましい実績を上げたのであれば、必ず何がしかの課題を発見し、方法を見つけて努力したというプロセスがあるはずです。勉強や部活動などに関しても、努力の方向性を決めて実行するという過程があります。地道に努力するにしても、「なぜ地道に努力していこうと思ったのか」という行動の動機があり、努力の仕方についても考えがあり、実際の努力があるはずです。他者に貢献する「縁の下の力持ち」にも、「なぜ支えようと思うのか」という動機があり、「どう支えていこうか」という考えがあり、実際にとった「行動」があります。

このようなプロセスをきちんと表現することによって、自己PRは単なる実績の「自慢」ではなく、単なる自己申告による自分の「言い値」でもない、面接質問としての価値が出てくるのです。

自己PRを構成する「能力」、「性格」、「熱意」

実際に面接の場で「1分(〜3分)程度で自己PRをしてください」と言われたら、上記のような内容を話すわけですが、その際意識しておけば良いだろうと思うのは下記の点です。

人材としての価値は、組織にどれだけ貢献できるのかということで判断されます。組織に貢献するには、大まかに言って、「仕事を適切に実行できる能力」、「仕事に向いている性格・組織人として良好で貢献できる性格」、「組織(仕事の価値)に貢献したいという意志」が必要です。

したがって、「自己PRをしなさい」、つまり「あなたの人材価値を説明しなさい」と言われたら、これらの「能力・性格・熱意」を説明することになります。

「能力」は職務遂行に十分な能力がそなわっているということで、たとえば、上記の過去の実績に関するエピソードや学業実績、あるいは物事の分析能力や工夫する能力などと関連する経験を話すことで表現できます。

「性格」は特に社会的な場面での性格、人間関係上の振る舞い方などで表現することになることが多いでしょう。上記の例でいえば組織の中で「縁の下の力持ち」の役割を担ってきたといった経験で表現できます。

「熱意」に関しては、一般的には確かめようがなく無内容になりがちです。それでも、能力→性格と話した後に「〇〇として貢献したいと強く思っています」といった「締め」がくると座りが良いので、「熱意」に関して触れることも多いでしょう。もちろん、「熱意」を証明できるような過去の履歴があれば、それを話せばグッドです。たとえば、「〇〇の仕事をしたいから、そのために〇年努力を積み重ねてきた」とか「これまでも〇〇の仕事に打ち込んできた、さらに発展させたい」といった背景事実があれば好ましいことは確かです。

これらの「能力」「性格」「熱意」は自己PRを話すときに、必ずすべて入っていなければならないわけではありません。「能力」だけ「性格」だけでも構わないのです。話の長さによっては、どれか一つだけを話せば良いという場合もあります。ただし「熱意」だけだと内容が空疎になりがちです。「熱意」は最後の締めの言葉として使うぐらいの位置づけで一般的には良いでしょうから、単体で使えるとはあまり思わない方が良いです。

また、「自己PRせよ」ではなく「一番の強みはなんですか」といった質問であれば、1つだけを選んで話すのが原則です。「一番の」と言われているのですから、1個だけ話すのが正しい姿勢です。また、自己PRは「長所」や「あなたを採用するメリットはなんでしょうか」といった質問への回答とも重複します。重複して構わないのですが、「〇分で自己PRせよ」という投げかけは、「自由に自分をアピールしてね」ということなので、淡泊になりすぎないように十分な内容を話したいところです。したがって「自己PRせよ」と言われたら、「長所」「強み」と言われた場合よりも厚めに答えられるように考えておいた方が良いでしょう。

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