面接では事実だけでなく「売り」を明確な言葉にして表現する

このブログでは面接対策に関するノウハウをまとめてご提供できるように考えているのですが、模擬面接の予定が立て込んでいて落ち着いて記事を書けません。それに、いわゆるマニュアル的な記事を書くのはあまり好きではありません。もちろん、マニュアル的に理解していただいて構わない事項もあるのですが、面接対策はその人それぞれの中にあるものを引き出す個別性の非常に高いものなので、マニュアル記事を書くのはおもしろくないのです(まあ、ちびちびと書きますが…)。

そこで、殴り書きですが、最近模擬面接をしていて良く感じることについて書こうと思います。

たとえば、転職の面接で職歴についての質問を受けることは良くあります。たとえば「現職でのお仕事の内容を具体的に話してください」とか「前職ではどのような経験を積まれましたか」といった質問です。

「仕事の内容」「どのような経験」と聞かれているので、もちろん仕事の内容を説明したり、具体的な経験の中身を説明しなければなりません。この場合、それなりのキャリアを積んだ人であれば、仕事の中身として話す内容は豊富にあることも多いです。また、多くの方はどんな仕事をしているのか(してきたのか)について一応の説明は用意しています。

ただ、優秀な人ほど、仕事の具体的な内容や経験の中身について、事実の羅列になりがちです。様々な経験を積んでいる分、伝えたいことが多く、事実を列挙するだけということになりがちです。「○○というスキームを任せられて○○のような調整を行った」「新規顧客開拓のために、○○の資料を自ら作成し、○○件の提案を行った」「後輩の育成に関しては○○の工夫を行った」などです。部署間の調整に苦労したり協力を得るための努力をしたりして「人的な調整スキル」が身に付いていること、「粘り強い努力」であったり「他者を説得する力」といった能力、「他者に配慮しつつ自分に与えられたミッションを実現する」能力といったものがこれらから推測はできます。しかし、それはあくまでも「推測できる」ということに過ぎません。

日常的な会話とは異なり、面接の場ではこれらの「推測される能力」をきちんと言語化して面接官に伝えなければなりません。面接官の方が、応募者の回答の中から推測できる能力を「斟酌」してくれると考えるのは間違いです。もちろん、面接官によっては事実から背景にある事実を汲み取ってくれる人もいますが、すべての面接官がそのようにしてくれると思うのは期待過剰です。ですから、どんなに難しそうな仕事をこなした経験を伝えたとしても、それだけでは不十分なのです。

「仕事の内容を具体的に説明してください」と言われたら、「○○という仕事をしていました」という説明は必須ですが、それに加えて「この仕事を通じて○○という力が身に付きました」といった表現をすべきです。そのことによって、面接官に「この質問への回答からこの応募者の○○という能力がありそうだということがわかった」と明確に意識させることができるのです。

さらに、単刀直入に「現職の仕事の経験が、採用後役に立つと思いますか」といった質問であれば、「はい、○○という能力が役に立つと思います。私は○○という仕事をしていたのですが、この中で~」といった順序で話すべきでしょう。仕事はそれぞれ異なり、同じ業種・職種であっても組織によって仕事の進め方は異なります。その中で共通して使える能力というのは、応募者自らが自分の経験から抽出して、それを言語化して明示する必要があります。そうしなければ、面接官がどう受け取るかについては保証はないのです。

もちろん、言語化して明示したところで、面接官がその「○○という能力」を信用してくれるかどうかはまた別の問題です。本当に「○○という能力」を説明するに値する経験といえるのか、十分な説得力があるのかどうかは別途考えなければなりません。面接練習の場ではこの部分が大きな課題になることも多々あります。

しかし、少なくとも自分自身で自分の「能力」「強み」といったものを言語化しなければ伝わらない可能性が高いということはよく覚えておいてほしいと思います。特に模擬面接をやっていると、この「明確な言語化」を優秀な人ほどしない傾向にあることを感じます。

事実のないアピールには説得力はありませんが、アピールのない事実の羅列もまた、面接官に伝わりにくいという面があるのです。面接では「機会をとらえて自分を売り込む」場です。そのためには、ご自身の経験を整理した上で、そこからどのような「強み」「能力」を導き出せるのか、必ず明確な言語にするようにしましょう。

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