WEB面接でカンペを使うことはできるのか?

新型コロナウイルスの影響でWEB面接(オンラインでのテレビ電話・会議システムを使った面接)が非常に増えました。1次面接などをWEB面接にしている企業などは非常に多く、中には最終面接までWEB面接で実施するところもあります。

そんな中、「WEB面接でカンペを使っても大丈夫でしょうか?」という質問が何度かありましたので、今日はこれについて書こうと思います。

アリ?ナシ?WEB面接でカンペを使う?の画像

WEB面接ならカンペは使える?

WEB面接では面接官にはカメラに映っている画像しか見えません。面接官に見えないところに置けばカンペ(カンニングペーパー)を使える、と思うのは無理のないことかもしれませんね

私はカンペを使うという発想がなかったので、質問を頂いた時、「あっ、そういうことを考えるのか」と意外な気持ちになりました。しかし、面接でかなり緊張したり、人前で話すのがそもそも得意でなかったりする場合、「是非ともカンペを使いたい!」と思う人が実際には多いのかもしれません。

そこで、カンペを使うことに問題はないのか、もし使うとしたらどのような方法が良いのかなどについて書いていきましょう。

WEB面接でカンペを使うデメリット

WEB面接でカンペを使うことには大きなデメリットがあります。カンペを使おうと考えている人は、まずこのデメリットについて良く認識しておきましょう。

カンペを使っていることが面接官にバレる

たとえば、採用側から「メモを見ながら面接をしても良い」という通知があるのであれば当然カンペの使用は問題ありません。しかし、そのような指示があることは非常に稀で、採用側は応募者がメモなどを何も見ずに、その場で考えて回答してくれるものと期待しています。したがって、カンペを使っていることが面接官にバレてしまうと、それだけで選考不通過になってしまう可能性は高いでしょう。

「カンペが映り込んでいなければ大丈夫じゃないの?」と思われるかもしれません。しかし、多数の面接を行ってきている面接官であれば、カンペを使っていることに気づくことがほとんどだと思います。たとえば視線を頻繁に下に落としたり、視線がカメラから頻繁に外れたりすると、面接官は「あれ?」と思います。また、棒読みに聞こえるなど回答のリズムなどから感じる不自然さで、カンペの使用を疑う場合があるでしょう。

回答が不自然に感じられてしまう

妙に「立て板に水」で回答していると思ったら、他の質問では急にたどたどしくなるなど、回答が不自然になってしまうリスクがあります。カンペを使っているとまでは疑わないとしても、面接官が「何かムラがあるな」などと不自然さを感じることはあるでしょう。そうすると、マイナス評価に繋がってしまいます。

面接は会話ですので、面接官が「自然に会話が成立した」と感じれば納得感は高くなりま。しかし、カンペを使うと自然な会話にならず、マイナス評価に繋がる可能性があるのです。

質問に適切に対応できなくなる

カンペに頼ろうと考えていると、面接官の質問を聞きながら「カンペのどの部分を使えるか」を考えてしまいがちです。しかし、面接官は想定した通りの質問をしてくれるわけではありません。一見、似たような質問に見えても、微妙に趣旨やニュアンスが異なる場合は良くあります

たとえば、「弊社を志望する理由は何ですか」という質問と「弊社でなければならない理由はなんですか」という質問は、似ていますが答えるべき主題は異なります。前者は一般的な志望理由の質問ですが、後者は他と比較してその企業を選ぶ決め手を回答しなければなりません。単なる志望動機として準備している原稿を読めば良いものではないのです。質問に即して主題を「決め手」の方にして話さなければならないのです。

質問の趣旨に応じた回答をしないと、面接官は「いまひとつコミュニケーションが成立しない」、「何かズレた人だ」といった印象を抱きます。そして、このような印象は致命的なマイナス評価に繋がる可能性が高いものです。

感情や熱意が伝わらなくなる

カンペを読むように答えると、自然な感情やその仕事をしたいという熱意などが伝わりにくくなります。質問をされて回答を考えて答えるプロセスの中には自然と感情的な要素が含まれます。たとえば、「それを聞いて欲しかったんだよ!」、あるいは「それはあまり聞かれたくなかったな」「難しい質問だなあ」といった気持ちです。これらの要素こそが人間らしさとも言える部分ですね。これを感じとれないと、面接官は何か「機械的だな」とか「つかみどころのない人だな」などといった印象を受けます。

かといって、カンペを読みながら感情移入しようとすると、わざとらしい雰囲気になりがちです。やってみるとわかりますが、素人が台本を読んで演技すると思った以上に不自然になります。

面接で面接官は回答している時の様子を見ています。回答の中身以外の、いわゆる非言語的な表現を観察しているのです。そしてこの部分こそが対面しないと得られない情報で、面接を行う価値があるものです。したがって、単に回答をスムーズに答えることが評価につながるわけではありません

難しい質問をされて悩みながら必死に答える様子、趣味などの楽しい話の際には活き活きと嬉しそうに話す様子、そんな人間性が表れる瞬間を面接官は待っているのです。カンペを読むとこういった感情的要素が欠けた回答になってしまいがちです。これは大きなデメリットだといえるでしょう。

視線や表情からマイナス評価をされてしまう

下に置いたカンペに頻繁に目を落としたり、ディスプレイに貼ったカンペの方に視線がチラチラと横に動いたりすると、面接官がカンペの使用を疑う可能性はあります。また、そうでなくても「何か変だな」と思われる可能性があります。

不自然に目が泳いだり、まっすぐと視線を向けないといった様子は、「人と接するのが得意ではないのかな?」といった懸念に繋がります。カンペに頻繁に目を向けると、対人関係が苦手な人のような印象を与えてしまうのです。

もちろん、人は常に相手に目を合わせているものではありません。話す途中に少し視線を外したり、考える時に斜め下を見たりということはあります。これが一切ダメというわけではありません。しかし、これがあまり多いと「人と話すのが嫌いなのかな」とか「信頼感を感じない人だな」といった印象につながります。

カンペを見なければ視線を合わせて話せる人なのに、カンペのせいでこのような印象を面接官に与えてしまうのはもったいないことです。これでは、カンペを見て得たメリットを帳消しにするだけでなく、大きくマイナスを増やす要因にもなってしまうのです。

WEB面接でカンペを使うメリット

ここまでカンペを使うことのデメリットを書いてきましたが、もちろんカンペを使うメリットも考えられます。

緊張で頭が真っ白になってしまった時に助かる

「面接で緊張しすぎてしまい、答えようと思っていた内容がすっかり飛んで頭が真っ白になってしまった」という人がいます。極度の緊張症であればそのようなことが起きる可能性もゼロではないかもしれませんね。そのような事態に陥った時に、カンペがあれば何も答えられないという最悪の事態は避けることができます。

重要なキーワードをど忘れした時に助かる

回答の中に必ず入れたいと思っていた重要なキーワードをど忘れしてしまった時、カンペがあったら助かりますね。各企業の商品やサービス名、取り組みの名前、各自治体の政策名(〇〇市第〇次○○プラン)といった固有名詞を回答に入れ込むのは非常に有効ですが、本番でど忘れしてしまったらもったいないですね。このような場合もカンペがあれば助かります。

複雑な内容を整理して伝えられる

多少複雑な内容をわかりやすく伝えようとするならきちんと整理しておかなければなりません。例えば、職務経歴におけるご自身の成果の説明など、職務内容の説明とエピソードを簡潔に伝えなければならない場面では、説明能力自体が問われます。整理しておいても、それがうまく頭に入らず、緊張すると整理していない形で伝えてしまうこともあるでしょう。このような場合も、カンペに説明の流れが書いてあれば助かります。

WEB面接でカンペを使うならこの方法

ここまで見てきたように、WEB面接でカンペを使うことのデメリットとメリットを比較すると、デメリットの影響が非常に大きく、カンペは使わない方が良いということがわかると思います。

面接において最も大切な点は、会話を通じたコミュニケーションによって、自分の人となりを伝えるということです。しかし、「これは準備された原稿を読んでいるだけだ」とか、「なにか不自然だぞ」とか、「人と話すのが嫌いなのかな」などという印象を与えると、あなたを理解してもらう以前に、マイナスの印象だけが残るかもしれません。ましてや「カンペを使ってる!」と見抜かれてしまうと致命傷にもなりかねません。したがって、弊社の面接対策サービスでは、WEB面接でカンペを使うことをおススメすることは一切ありません

しかし、それでも「どうしてもカンペを使いたいんだよ!」という人がいるかも知れませんね。そういう方のために、デメリットを抑え、メリットも得られるカンペの使い方についてご提案しておきましょう。

カンペはカメラレンズのそばに設置

カンペを手元に置くと、見るたびに視線は下に向いてしまいます。目だけを下に向けることは難しいので首から俯いてしまう形になってしまいますね。しかし、それでは「何か見ているな」とカンペの存在に気づかれてしまいます。

したがって、カンペはWEB面接で自分を撮影しているカメラレンズのできるだけそばに設置するようにしましょう。そうすれば、頭の向きを変えることなく、視線もあまり大きく動かさないでカンペをチェックすることができます。

カメラレンズの背後になるように貼るなどすれば、自然にカンペを見ることができるでしょう。政治家が演説の時に使うプロンプターみたいな役割ですね。

カンペには文章ではなくキーワードや流れだけを書く

カンペに完璧な回答内容を文章で書くことはやめておいた方が良いです。

まず文字が小さくなってかなり注視しないと見えなくなるので、自ずとカンペを見ていることが面接官にわかりやすくなってしまいます。文字を目で追う感じが伝わる可能性もあります。

それだけでなく、完璧な原稿をカンペにしておくと、その原稿通りの回答しかできなくなります。完全に「棒読み」になってしまうわけです。

したがって、文章の形ではなく、必ず言いたいと思っているキーワードや、キーワードを組み合わせた回答のフローチャートのようなものだけを書いておく方が良いでしょう。それを「参考にしながら」回答するという風に使うのです。このような使い方であれば、的外れな回答をしてしまったり、「読んでいる回答」になったりすることはなくなります。

完全原稿のカンペは本番では役に立たないのです。

カンペは大きな文字で

カンペを用意するなら、目を凝らさなくても読めるぐらい大きな文字で用意するようにしましょう。目を凝らすだけで不自然な印象を与えるリスクがあります。

カンペが外れたりズレたりしないように注意

カンペはガッチリ固定しておきましょう。面接本番中に貼り付けておいたカンペが剥がれたりすると慌てます。また、面接官にわからないように設置し直すのは至難の業です。

できれば厚紙にカンペを貼り、それを強力なガムテープなどでがっちり固定するのが良いと思います。やるなら細心の注意を払って完璧にやりましょう。

カンペのリスク – 直接対面する面接での落差

現在、全ての選考プロセスがWEBで完結する企業は多くありません。ほとんどの企業では、WEB面接は選考プロセスの一部だけとなっており、最終面接は実際に同じ空間の中で対面して行うようになっています。

したがって、実際に対面する面接は必ずやってくるわけです。そして、直接対面する面接では、カンペを使った面接よりもうまく回答できなくなってしまうでしょう。前の面接を見ている人は「あれ?前と全然違うぞ」と感じるでしょうし、初対面の人も「なんだよ評価と全然違うじゃん!」となってしまいます。こうなれば、期待していただけに「がっかり度」は大きく、面接不通過に直結してしまいます。

したがって、WEB面接でカンペを使うとしても、必ずカンペなしで同等以上のレベルで回答できるように練習をしておかなければなりません。そもそもカンペなしでは再現不能な面接をしたところで、最後まで誤魔化続けられるものではないのです。

したがって、私はカンペを使うことは決しておススメしません。しかし、どうしてもカンペを使いたいと思う人はあくまでも「緊急避難」的に使うのだとしっかり自覚しましょう。そして、カンペなしでもしっかりとした回答ができるように対策を積み重ねておくようにしてください。

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