【面接回答】何を経験したのかではない。どう経験したのかが大切だ。

面接では、あなたの過去の経験に関して多くの質問がされます。職務経験のある人なら、「あなたの職務経験においてご自身の成果といえるもの、または達成感を感じたことについて教えてください。」といった質問です。また、新卒であれば「これまで力を入れて取り組んだことの中で、最も達成感を感じたことはなんですか。」といった質問はよくされます。面接本番ではかなりの確率でこういった類の質問がされますし、エントリーシートや面接カードなどの記入項目でも頻出のものです。

多くの方は、このような質問が重要であることは感じていると思います。人材価値を見極めるにあたって、過去の職務(その他の経験)において何をしたのかはもちろん大切な質問項目です。

誇れるような経験はない?

このような質問への回答を検討する際に、相当数の人が「他人に誇れるような成果なんてない…」「大したことはやっていない」という反応を示します。「成果」、「実績」、「達成感」などという言葉に見合うような経験があっただろうか?と不安に思う人は多いのです。

例えば、前職で営業をしていた人が、「売上前年対比130%を達成した」とか「営業職として社内トップ3として表彰を受けた」とかであれば、「それを話そう!」と思うことでしょう。しかし、同じ営業マンでも、このような華々しい成績を残したことがない場合(そして実際にはそういう人の方が多いのです)、「何を成果と言えば良いのか」と頭を抱えてしまうのです。あるいは、新卒で部活動経験を話そうと考えた時に、「野球部のキャプテンとしてチームを引っ張り、弱小チームを県大会3位にまで引き上げた」という実績があれば、それを話そうと思うでしょう。しかし、野球部に所属しながらもずっと補欠、ベンチにも入れなかったとすれば、「何を話せば良いのか」と思うかもしれません。

しかし、「絵に描いたような実績」がなければ「誇れる経験」「成果」とは呼べないのでしょうか。

面接で「すごい経験」を競い合うわけではない

華々しい営業成績を上げた人や、部活動のスタープレイヤーであれば、もちろんその経験を話せば良いでしょう。しかし、ほとんどの人はそのような「スター」ではありません。そのような人はごく少数だからこそ「スター」なのであって、採用側もこのような「スター」ばかりを採用したいと考えているわけではありません。

そもそも、採用側は「私にはこんなすごい実績があります」、「こんなすごい経験をしました」という話を聞きたいわけではありません。もちろん、そういう話があれば聞きますし興味は持つでしょうが、ほとんどの場合、そのようなエピソードがないことは知っています。それどころか、たとえば「不本意な仕事を淡々と我慢して続けてきた」とか「環境が悪く満足のいく成果を出せなかった」とか「レギュラーになりたかったがどうしてもなれなかった」という人が多いということを理解しています。そして、そのような人を選考から外そうと考える人事はまずいません。

人事は「すごい経験」をしていることを期待しているわけではないのです。もっと言えば、「成果」や「実績」などの「結果」を知りたいのではありません。「前年対比130%でした」とか「大会で優勝しました」といった結果だけを聞いても、それが人材価値の評価に結び付くわけではないのです。

伝えるべきは「どう経験したのか」である

「結果」が特筆すべきものであっても、そうでなくても、人材価値を判断するためにはプロセスを見ることが大切です。簡単に言えば、その結果に至るまでに「何を課題だと考えたか」、「どう課題を乗り越えようと考えたのか」、そして「どう行動したのか」ということ、つまり「どう経験したのか」を知るということです。

「売上前年対比130%」と言われても、それが事実であるかどうかを確かめる術は基本的にありません。仮にそれが事実だとしても、それは市場環境が変わったのかもしれませんし、全社的に好調だったのかもしれません。運動部で活躍して良い結果を出したとしても、それは単に元々の体力的素質が高かったためなのかもしれません。したがって、特筆すべき結果を出している人でも「130%達成しました」とか「優勝しました」という「結果」だけを述べても、人材としての評価には繋がらないのです。結果を出すために「何を考え、どう行動したのか」が大切です。

華々しい経験がないと感じる人でも、職務や部活動の中で自分が大切にしていたことがあるはずです。顧客との信頼関係を築くために何を大切に行動していたのか、同じ部署のスタッフのことを考えてどう配慮した行動をしたのか、あるいは事務効率を上げるためにどんな工夫をしたのかなどです。あるいは、レギュラーになれない中でも自分の能力向上のための努力を行い、また、他の部員の役に立つような行動を心がけていたかもしれません。

このような一見地味に見える経験でも、その中に自分の使命ややりがいを見つけ、課題に真摯に向き合い、具体的な行動をしてきたということを述べれば、それはそれで組織の中で役に立つその人の「価値」を人事は感じます。「何を経験したのか」よりも「どう経験したのか」を良く考えてみること、そしてそれを表現することが大切なのです。

自分の経験をじっくり棚卸ししてみよう

多くの方の面接対策に関わる中で、中には「スター」と呼べるような人もいますが、それは本当にごくわずかです。多くの方には、華々しい経験・実績はないのです。ですから、ご自身では自分のアピールすべき「経験」は何なのかわからない、という人も多くおられます。

しかし、例えば模擬面接などで会話をしていくうちに、「これをアピールできる!」というものを発見できます。ご自身では気づいていないことでも、過去を聞き出していくうちに、必ずといっていいほど「強み」のアピールに繋がる経験は見つけることができます。

したがって、「特筆すべき成果なんてないよ…」と嘆くのではなく、ご自身の経験を丁寧に棚卸ししながら、何を大切にし、何に真剣に取り組んだのか、そしてわずかであっても結果に繋がったことを探すようにしましょう。

1つだけ注意点を挙げるとすれば、採用側が「求める人材像」は意識する必要があるということです。「自ら課題を発見し、自ら率先して行動できる人」とか「前例にとらわれず果敢にチャレンジできる人」など、採用側が「求める人材像」を明記していることがありますが、できる限りこれにマッチするものになるように考えておくことも大切です。

メンレンVの添削サービス・模擬面接サービスでは、あなたの「強み」をどこに見出すのか、どの経験でそれをアピールするのかなどについても、しっかりアドバイスします。「ひとりでは難しい」と感じたら、是非ご利用を検討してください。