面接は嫌い?苦手?私も嫌いです。

就活や転職、公務員試験などの採用面接は、面接が苦手、嫌いと思っている人にとっては大変な苦痛です。また、採用面接を「茶番」のように感じて「あほらしい」と思っている人もきっといるでしょう。

実は、面接指導をしている私も面接は嫌いです。

私が面接を嫌いな理由

面接が嫌い、苦手という人の中には、そもそも人前で話すのが苦手だという人も多いと思います。特に、普段控えめな行動が身に付いていて自己主張をあまりせず、自分をアピールするのが苦手なタイプの人は、「面接で自分を売り込め」と言われても「うーん…」となってしまうことも多いでしょう。

私自身は、人前で話すのが「好き」とまでは言いませんが、苦手な方ではありません。過去に参加者数百人規模のセミナーで講師をしたことなどもあるので慣れてはいます。プレゼンをしたり、人前で演奏したり歌ったりするのも苦手とは言いません。

それでも私が面接を嫌いな理由は、どこまでいっても評価の客観性を担保できないからです。面接における評価は面接官が下す「人による評価」です。しっかりとした企業や公平性の求められる公務員採用試験などであれば、「誰が面接官なのか」による評価のブレを最小限にするために、評価基準をきちんと定め、評価方法の標準化なども行っていますが、それでも面接官の主観を経由せざるを得ないものです。ましてや、採用基準が不明確だったり、面接官の質が低かったりすれば、評価はいわば「面接官次第」となってしまいます(本当に質の低い面接官といのはあちこちに存在しています)。

もちろん、民間企業であれば、「結局うちの会社との相性だよ」という一言で片づけられてしまう場合もあるでしょう。「誰を採ろうと会社の勝手」という言い分が通る余地が全くないわけではないかもしれません。しかし、社会で活動している以上、企業にも社会的責任があることからすれば、あまりにも理不尽な評価を繰り返していれば外部的評価に影響はするでしょうが。最近はSNSで悪評は瞬く間に広がりますので、企業側もきちんとした評価基準を定め、しっかりと運用することが求められているとは思います。それでも「面接での評価が低い」とされた時に、それが「なぜなのか」については不透明なところも多いのが現実です。

あるいは、コミュニケーションがあまりうまくない人であっても、特定のスキルは非常に優れている場合もあります。そのスキルが欲しい企業であれば、コミュニケーション能力よりもスキルマッチを優先して採用することもあるでしょうが、現実には一定ライン以上のコミュ力がないと採用されないことは多いものです。特に、日本の企業はいまだに「ムラ」であることも多いため、そのメンバーの加えるかどうかについては、スキルマッチよりも、キャラクターが重視される場面も往々にしてあります。もちろん、そうでない企業も増えてきてはいますが…。

面接指導をしている立場からすれば本当は言ってはいけないのかもしれませんが、「面接なんてあほらしい」と思う気持ちもわからなくはないのです。

否定しても前には進めない

仮に面接が「あほらしい」ものであるとして、「やってられるか」と否定してしまっても前には進めません。組織に採用されて働くなら、ほとんどの場合面接は経なければならないからです。どうしてもそれが嫌なら、自ら起業・独立開業するしかありません(とはいえ多くの場合、開業後は営業活動の場で品定めされることになります)。もちろん、うなるほどの資産があるなら別ですが…。

組織に属して働きたい(あるいは働くしかない)のであれば、面接は避けて通れません。ですから、面接を「嫌い」「苦手」だと嘆いたところで前進はできないのです。大昔は、公務員採用試験の面接は緩く、民間の面接を通過しないような人でも合格できると考えられていた時代もありました(また、実際に筆記試験の点数が高ければ、面接がダメでも合格する可能性があった時代もありました)が、現在では公務員試験も「人物試験重視」の傾向が顕著であり、この傾向が弱まる可能性はまずありません。

したがって、少なくとも組織に所属して働こうと考えているなら、面接を通過しなければなりません。「嫌い」でも「苦手」でも「あほらしい」と感じても、働くための手段と考えるしかないのです。

面接対策は面接通過の確率を上げるためのもの

最初に述べたように、面接での評価は、どんなに評価の標準化を図っても「人の主観」を経由して行われます。したがって、ペーパーテストのように、「このライン以上の実力をつければ確実に合格できる」と断言できるものではありません。もちろん、ペーパーテストであれ面接であれ、本番当日での出来次第ということはありますが、仮に練習通りの出来具合だったとしても「合格確実!」とまでは言えないものです。面接官が誰なのかにも左右されますし、他の応募者がどんな人材なのかにも影響を受けます。

特に面接選考は、「質問1問につき1点」とか「志望動機に5点」「長所に2点」といった配点がされているわけではありません。面接全体の評価として、各評価項目についての点数がつくのです。したがって、「20個質問されたうち18問は完璧に答えたぜ!」といっても必ず合格するとは限りません。残り2問で致命的に印象を悪くしている可能性もあるからです。また、回答内容だけ完璧であっても、答え方が良くなければ評価はされません。わざわざ対面して面接する意味は、文書だけではわからない「その人そのもの」を評価したいからです。したがって、回答内容そのもの以上に、「評価されやすい答え方」をしなければなりません。

そして、「評価される回答」、「評価される答え方」に、絶対的な基準はありません。応募先の業界、職種、個別の組織、個別の面接官ごとに、何が評価されるのかは変わります。しかし、事前に「どんな面接官なのか」を推測することはほとんどの場合できません。

だとすれば、対策としては「どのような面接官であっても悪い評価はつけない答え方」、「どのような面接官であっても評価しそうな回答」、「どのような面接官であっても組織とのマッチ度が高いと感じる回答や答え方」を追求することになります。もちろん、そのように想定していても、万一面接官が常軌を逸した人物であれば通用はしないかもしれません。また、表に出ていない裏の「評価基準・フィルター」が機能している可能性はあります。しかし、そのような条件を加味しても、面接通過の「確率を上げる」方法はあります。

あほらしい面接をいなしてしまおう

面接が嫌いであっても、苦手であっても、また、あほらしいと感じても、組織で働くためには通過しなくてはなりません。どうしても通らなければならない道です。

これを通過するためには、まず「手段だと割り切る」ことです。面接で「あなたのすべて」がわかる筈もありませんし、なんなら「人材価値」すら正当に評価されるとは限りません。しかし、ゲームの土俵に上がる以上は攻略するしかありません。

苦手でも、嫌いでも、面接通過の確率を上げる方法はあります。割り切って対策をしましょう。