面接回答の最後を「以上です」で締めるのは良いのか?悪いのか?

民間企業への就職・転職や公務員試験の面接対策で模擬面接を日々行っていますが、よく見かける回答の仕方があります。それは回答するたびに最後を「以上です」で締めくくるというものです。多くの場合、このような答え方をする方は、どの質問への回答でも語尾に必ず「以上です」を付けます。これは良い答え方なのでしょうか。それともかえって悪い印象を与えるのでしょうか。

シャットアウトしている女性

面接回答の最後で逐一「以上です」とは言わない方が良い

「以上です」は報告をすべて終了する言葉

たとえば仕事で報告書を書く時、末尾に「以上」と書くというのは比較的多く見られますね。この「以上」は、「これ以上報告内容はありません、これで終わりです」ということを示しています。口頭での報告でも「以上です」と述べて、これ以上報告はないことを伝えるというのは良くありますね。

つまり、「以上です」というのは、「これ以上申し上げることはありません。」とか「これで私から言うべきことは終わりです。」といった意味を持った言葉です。

しかし、面接選考というのは、面接官が一方的に報告を聞くものではありません。面接官が質問を発しますが、それへの回答を受けて、もっと聞きたいことがあれば再度質問をしたり、場合によっては「質問」といえないような会話になることもあります。そう、面接は会話なのです。

「面接は会話である」ということを前提にすると、「以上です」という言葉は面接官に「これでこの会話は終わりである」という印象を与える可能性があります。極端に言えば「これ以上言うことはないので、もうこの件については聞くな」と言っているように取れなくもありません。もちろん実際の面接官がそこまで悪意にとることはないでしょうが…。

したがって、面接の回答で逐一最後に「以上です」と言うのはやめましょう。

「以上です」を言わなくても発言の終わりを感じてもらうことが大切

インターネットで見つかる情報、場合によっては書籍などにも、「最後に「以上です」をつけましょう」と推奨しているようなものも見受けられます。「以上です」と付け加えることによって、回答の終わりを面接官に伝えることができ、面接官は次の質問や追加の質問を発して良いかどうかがわかりやすいので印象が良くなる、というのが理由のようです。「切れが良い」のような言葉で推奨しているものもあるようです。

たしかに、回答が終わったかどうかが良くわからない時には、面接官から「以上ですか?」のように問われることもあります。これは面接官にとってはひと手間ですので好ましくないものです。しかし、だからといって回答の度に「以上です」という言葉を聞かされたらどうでしょうか。私なら単純に耳障りに感じます。

私の主観はともかく、「私の回答は一旦ここで終わりです」ということを伝えるために「以上です」というのは確かに便利な言葉ですね。しかし、通常の会話で「以上です」を多用することなどあるでしょうか。普通は、相手の発言が終わったことを自然に感じとり、こちらが発言する、ということを繰り返して会話が続いていくはずです。つまり、「以上です」と言わなくても、相手は「発言の終わり」を感じ取るのです。それが自然なコミュニケーションというものです。

したがって、「以上です」を言わなくても、「発言が終わったな」と面接官が感じられるように話すことが肝心です。そのためには回答の構成が文としてすっきりしており、内容的にまとまっていることが大事です。そのような構成になっていれば「~です。」「~ます。」といった言い切りによって、面接官は「この発言は終わったな」と感じてくれます。そのような構成になっていないものを無理矢理「以上です」で終わらせても、面接官は良い回答とは感じないでしょう。

「以上です」を常に付け加える、という小手先のテクニックによって印象を良くしようというのは、個人的には虫の良い話だと感じます。私はこれは誤ったマニュアルだと思います。

ただし、緊急避難的なら使っても構わない

ただし、「以上です」を使っても良い場面はあると思います。たとえば、緊張などによって回答をうまく言えず話が長くなってしまった場合、思いがけない質問で考えながら答えることでまとまりのない回答になってしまった場合、などです。このような場合は、話がうまく終えられないような場合もあり、面接官も「どこで終わるのかな」と思うこともあります。そういった場合は「ここで終わりです」という意味を込めて「以上です」と締めるのもありです。うまく「終わり」を感じさせる話し方にならなかった時は緊急避難的に「以上です」と言うのです。

ただし、あくまでも「緊急避難」であり、常に「以上です」で締めるのとは全然違います。

補足:面接は会話ではあるが、報告を意識する必要もある

上に、「面接は会話」である、だから「以上です」で話を切るのは良くない、と述べました。このことは間違いありません。ただ、「面接は会話」ということについて少し補足をしておきます。

「面接は会話」といっても、やはり日常的に友人と会話をするようなものとは異なります。また、時間無制限の会話ではなく、ほとんどの場合限られた時間内で効率的にコミュニケーションを図らねばなりません。本当に会話そのものなのであれば、あまり意識せず普段通りに受け答えしていれば良いのですが、面接選考は会話の中で自分自身を売り込まなければならないのです。

たとえば、「部活動の中でどのような困難がありどう乗り越えましたか?」といった質問、「現職においてあなたの成果と言えるものを一つ挙げて説明してください」といった質問の場合、それなりのボリュームで回答することが想定されています。しかし、やはり時間制限はありあまり冗長になるわけにもいきません。こういった場合は、「会話」といっても「報告」を意識した回答をする必要もあるのです。

上の「部活動」に関する質問への回答では、たとえば「大会での勝利という目標」や「他の部員との関係」、「個人的な能力向上のプロセス」など、説明すべきことは色々あるかもしれません。「現職における成果」という質問でも、「業務上の目標設定」、「課題の発見」、「対策の具体的な実践」、「上司、部下、同僚、他部署等との連携」など、話すことは多岐にわたる可能性があります。これを、日常会話のように取りとめもなく話していると、時間はいくらあっても足りません。また、冗長になることによって、結局何を伝えたかったのか、面接官にはわからないということすら生じます。

したがって、このような場合は「報告」を意識して回答を構成することが必要です。「報告」を意識するというのは、ここでは「まず結論を端的に伝える」「状況、プロセスの説明は結論に必要な範囲のものだけを伝える」といったことです。日常会話ではこういったことを意識することは少ないでしょうが、たとえば仕事上で上司に報告を求められたら、まず結論を述べ、その上で状況説明をするというのが良い部下でしょう。結論がなかなか出てこず、状況説明、前置きが長い報告をされたら上司はイライラするかもしれません。面接でも同じです。ボリュームのある内容を伝える際は、「報告」を意識することによって、端的でわかりやすい説明をすることができます。

しかし、このような場合であっても、最後に「以上です」と言うことをおすすめはしません。合理的な構成になっていれば、自然と「ああ回答が終わったな」と面接官にはわかるものです。大切なのは、そのように感じ取ってもらえるように回答することであり、形式として常に「以上です」と述べることではないのです。

マニュアルを鵜呑みにしない

常に「以上です」をつけて答えるというのは、模擬面接のご利用者様の中にも一定数見られます。これは、どこかでそういったマニュアルを見たか、学校その他でそのような指導を受けたかです。しかし、マニュアルが正しいとは限りません。むしろ、マニュアル化された言動をしていると、多数の応募者に対面している面接官からは「うんざりだ」と思われる可能性も高いのです。マニュアルを一切見るな、とは言いませんが、その意味をご自身で考えてみることが大切です。一般に言われている「マナー」などについても同様です。

大切なことは、相手に敬意を払い、自分の「売り」を明確にし、それを言語的に明瞭に伝えることです。そのために大事なことは何かという観点で、立ち居振る舞い、回答の構成、言葉遣いなどを考えましょう。

もちろん、ご自身で判断できないときは、お気軽にメンレンVにご相談ください。

This is a post from メンレンV – テレビ電話で就活・公務員試験の模擬面接