面接がうまくいかない理由を勘違いしていませんか。(Podcast書き起こし)

※ この記事はPodcastのフリートークを書き起こしたものです。

今日のテーマは、「面接でうまくいかない原因を勘違いしていないか」です。

自覚している弱点と本当の弱点は違うかもしれない

面接に向けて履歴書や職務経歴書、エントリーシートなどを準備し、面接の想定問答などもしっかり準備して臨んだけれど結果が出ない、というようなことが続くと疲れますし、辛いですね。それまでの努力が実を結ばなかったということで疲労感もあるでしょう。また、面接というのは「人物試験」などとも言われていることもあって、面接不通過が続くと心理的なダメージを大きく受けてしまう人も少なくないと思います。

そこで、面接連敗が続いてしまったようなときに、どんなことを見直す必要があるのか、それについて、実はご自身が考えていることとは違うところに問題があるのではないか、というお話をしようと思います。

最初に前提的な話ですけれども、ご自身が自覚している弱点と本当の弱点というのは違うかもしれない、ということをまず意識してもらいたいな、と思います。

面接は答え合わせができない

自分自身が自覚している弱点というのは、人それぞれ多かれ少なかれあるだろうと思います。たとえば「口下手でうまく回答ができない、スラスラと答えられない」ということとか、履歴などの中に突っ込まれそうな弱点があるとか、面接の回答の中身をしっかり検討できていなくて良い答えができない、など人それぞれ自分の弱点を感じている部分はあるだろうと思います。

ただ、面接というのはペーパーテストと違って、後で答え合わせをすることができません。ペーパーテストであれば後で正答と照合して自分の回答のどこが間違っていたのかをチェックすれば、どこが勉強不足、学力不足だったのかとか、ケアレスミスが多かったなあとかの原因を探ることもできるでしょう。しかし、面接では答え合わせはできないですよね。ですから、あくまで自分の主観において「こういうところが足りないんじゃないかな」とか、面接官の表情などから自分の良くない点を漠然と考えていることがほとんどです。

ですから、たとえば「自分は口下手、しゃべるのが上手じゃないことが悪いんだ」と思っていたら実はそうではない、しゃべり方は問題がなくて、回答の中身から意欲が感じられない、スキルがマッチしていないと判断されたといったことが原因であるということもありえます。

あるいは、履歴上突っ込まれがちなところにウイークポイントがあると思っていて、実際の面接でもやはりそこを質問されたということになると、やはり「自分のこの履歴が問題なんだ、あれが原因なんだろう」という風に考えてしまうこともあるでしょう。でも、実はそこは質問はしてきたけれどたいした問題ではなかったということもあり得ます。実際にはその部分ではなくて他の部分があまりアピールにならない回答だったおということが原因であるような場合もあります。

また、回答を良く考えて行ってなかったから、格好良い回答ができなかった、というように反省をしているんだけれども、実際には回答の中身に問題があったわけではなくて、話しているときの様子が面接官の印象としてあまり良くなかった、ということもありえます。

自分を客観視する難しさと面接評価ポイントを理解する難しさ

このように、自覚している弱点と、実際の面接でマイナス評価に繋がっているものというのが、実は食い違っているというようなことは、私の講師経験の中では比較的多くあるように思います。ご利用者様が「私はここが弱点だと思っているんです」と聞いて実際に模擬面接をしてみると、「いや、そこが問題じゃないよなあ、他のところに大きな問題があるよなあ」と思うことは良くあるんですね。でも、ご自身がそれに気づくのは難しいものです。やはり自分を客観的にみるというのは難しいことだ、ということもあるのですが、面接での評価ポイント、採用側が何を見ているのかを十分に理解できていないということが主な原因であるということも往々にしてあります。

こういった自分の弱点だと思っていることが問題ではなく他に弱点がある、ということはなかなか自分自身だけで気づけません。やはり第三者の目を通して評価してもらう、ということが大事だと思います。面接というのは「話す」選考ですから、普段の自分自身の話し方や振る舞いと完全に切り離すことは難しいものです。普段の自分を自分自身で客観的に分析するというのは非常に難しいのです。

弊社の模擬面接を利用していただいた方にレビュー・感想を送っていただくと、「自分自身の弱点や自分に足りないことが何なのかが良くわかった」という感想を良くいただきます。個人差はあるのですが、やはり自分自身で自分を評価するのは難しいということを示していると思います。

こういった自分自身の弱点を自分で自覚できるのか、ということに対して、まず疑問を持っていただきたいと思います。

面接回答を入念に準備することはすべてではない

たとえば、すごく入念に面接の準備をしているのだけれどなかなか結果が出ない、というような時には、話し方や様子、振る舞い方などにしっかりとチェックをした方が良いのではないか、というお話をしようと思います。

面接で想定質問などに対して入念に回答原稿を用意し、それを頭に入れて面接に臨み、本番でもそれをスラスラ言えた。だから「うまくいったはずだ」と思ったのに、ダメだった、ということを繰り返す人もいます。こういう方はいろいろなことを想定して回答を準備して、この回答なら全面的に突っ込みどころもないだろうという程度に作りこんでいるのですが、そこまでやっているのに結果が出ないということになると、かなり徒労感があるだろうと思います。そんな中で選考不通過の結果になると、そういう人はまた回答の原稿を入念に見直すことが多いです。非常に細かい点まで、「何か穴があったのではないか」とか「この言い回しが良くなかったのではないか」とかをチェックして、自分自身ではブラッシュアップしているつもりになっていることは良くあります。しかし、このようなことを繰り返してもなかなか結果が出ません。

面接回答原稿の準備は推奨します

私は、面接用の回答原稿を準備して面接に臨むことは全く否定しません。否定しないというよりも、むしろやった方が良いと思っています。やはり自分の考えをある程度まとめて、本番の限られた時間の中で上手に自分をアピールするというのはなかなか難しいので、一定の原稿はあった方が良いです。もちろん、準備しなければいけない原稿のレベルには個人差があり、そのまま話せば完璧な回答になるというような完全原稿を必要とする人もいますし、逆に話す内容の要点だけをメモしたものだけを準備しておいた方が結果が良いという場合もあります。これは人によるのですけれど、ただ、頭の中だけで考えているのではなくて、なにがしかの形で話す内容の準備をしておくというのは効果的であることの方が多いのが現実です。

回答原稿が完璧でも面接に通過しないことは良くある

しかし、だからといって、原稿の完成度を上げれば上げるほど選考の通過率が上がるのか、というとそういうわけでもありません。そこがむずかしいところですね。

原稿作成よりも実践を重視することで結果が出た例

このようなことが顕著に表れたご利用者様の例をお話ししようと思います。ただ、個人情報の問題がありますので、非常にぼやかしてお話しします。

以前、ご利用者様の中に、面接回答の添削のご利用を頻繁にしていただく方がいらっしゃいました。この方は、エントリーシートから始まって、面接の予想質問に対する回答原稿の準備もするということで添削をご依頼いただいていました。最初の方の原稿は、内容が的外れであったり、自己分析が不十分で強みをアピールできなかったり、冗長過ぎて面接官からするとどこにピントを合わせて聞けばよいのかわかないような回答でした。さらにた、応募先の企業に関する調査も不十分だったりして、回答の最初の出来はあまり良くありませんでした。しかし、やり取りをするうちに、ほとんど、たとえば自己分析に関する汎用性の効く回答に関しては、もう手直し不要なところまで完成しました。あとは応募先に合わせて少し修正するということになります。

でも、面接でなかなか結果が出なくて、また何度も添削を依頼してくださいます。私としては有料のサービスをリピートでご利用いただくわけですから、ありがたいと言えばありがたいのですが、ただ、ご利用者様に選考を通過していただくことを目的としているので、心配になってくるんですね。実際、ほとんど手直しをする必要なにような原稿を依頼していただく場合もありました。

そこで、私の方から「回答の内容は十分できあがっているので、話し方などの面接の実践を拝見してチェックさせていただいた方が結果に繋がるのではないでしょうか」という提案をしました。この方、なかなか添削のやりとり以外ではあまり連絡をくれない方で、チャットですぐに会話できる状態でもなかったので、その後もまた添削のご依頼がくるということがしばらくは続いていました。ただそのうちご自身の方から「やはり模擬面接してもらった方がいいんでしょうかね」とご連絡がありました。私としては「いやいや、前からそう言ってるし」ぐらいには思ったのですが、それはさておき「ぜひやりましょう」という話になりました。

実際にテレビ電話、スカイプで模擬面接をしてみると、原稿を棒読みするような話し方でした。回答の内容そのものは私も添削をしているので、コンパクトでなおかつ内容がしっかりしていたのですが、それをあたかも暗記してきたものを吐き出すような話し方になっていたんですね。「すごく話下手な人なのかな」と思いきやそうでもなく、模擬面接後のご相談の時に会話をすると、非常に自然で、笑顔なども漏れて、好感を感じるようなタイプの方でした。普段は非常に良好に周囲とコミュニケーションが取れているだろうなと思うようなタイプなのですが、模擬面接ではなんというか、原稿を機械的に話すように感じられました。

原稿をいじくり倒して頭に入れるということだけに集中してしまったことの弊害が出ていると感じたのですが、とはいえ、一度頭に入れた原稿を頭から抜くのは難しいことです。少し悩みましたが、原稿の中からキーワードを抜き出して別の紙に書き出すということをしていただきました。その上で、そのキーワードを使って、ある程度自由に文章を作って話してみてください、というような練習をしました。そうすると段々と、普段の会話と同じような感じで、良い表情やナチュラルな話し方になって良くなってきました。

この方には、模擬面接後に「回答内容にこだわっているようですが、そういう問題ではありません。話しているときにあなたから受ける印象の問題なのです。」と率直にお伝えしました。その上で、さきほどのような練習をしました。結果、3回模擬面接をご利用いただきましたが、その後の本番の面接で内定が出ました。その会社はちょうど就職活動中盤で「一番行きたい」とおっしゃっていたところなので、非常にハッピーな結果になったわけです。

やれることだけ、自己満足の対策は結果に繋がらない

回答の内容に問題があるわけではないのに、面接本番での評価が高くならないということは多々あるのです。ですから、回答原稿を完璧にするだけではダメなのです。問題は他のところにあるわけですから。回答原稿をしっかり作ることが間違いなのではなくて、そこだけが問題であるとか、そこに問題の焦点があると思い込んでいるということが大きな問題であるわけですね。

こういった状態から抜け出すためには、まずその「問題」に気づくということが大切です。その上で問題に対処しなければなりません。しかし、人というのはやはり出来ることを優先してしまう、というところがあります。原稿の完成度をどんどん上げていくというのは、自分の精神安定にもつながりますし、良くなっていくのは嬉しい、それだけで達成感があるかもしれません。しかし、それは不要な努力になっている可能性もあるわけですね。そんなことよりも、たった1回か2回の模擬面接をやるだけで、劇的に印象が変わる、評価がぐんと上がるという可能性もあるわけです。

面接を通過しない理由は人それぞれ

今挙げた例というのは、話し方や話す様子、口調などの問題でしたが、回答内容についても、自分が重要だと思って細かく作りこんでいるところが大して重要ではなく、もっと大切な角度から答えなければならないようなことがある場合もあります。

ですから、やはり行き詰まりを感じている場合、まずご自身が思い込んでいる原因について、「本当にそうなのか」という風に疑ってみることは必要だと思います。本当に回答をどんどん良くしていけば内定を得られる可能性が高まるのかどうか、あるいは逆に話し方や見た目の印象を良くしていけば本当に良くなるのか、冷静に考える必要があります。たまに、「話し方をすごく研究してきたのだなあ」という人、特に新卒の方には良く見かけますが、本当にそれで良いのかどうか。単に中身のないことを愛想よく言っているだけに見られないか、など、人それぞれ抱えている問題は違います。

第三者の目で評価してみることが大切

ですから、もし行き詰まりを感じているのであれば、やはり第三者の目で評価を受けてみることが一番のおススメだと言えるでしょう。いったい何が問題なのか、自分に欠けているもの、不足はなんなのかを知るだけで大きな前進になります。それに合わせて対策をすれば劇的に面接力が上がるということも良くあることなんですね。実際、こういうことに気づいて、対策を少しやって、その後面接連戦連勝になるということも良くあることです。やはりどこかの壁を乗り越え、どこかのツボをしっかり押さえるということができれば、多少の細かいところが不十分な部分や失敗があっても採用されるということは良くあります。

動画をチェックするという方法もあるが

やはり客観的にご自身を見る方法を考えてみるのが良いと思います。どうしても、自分一人で何が問題なのか知りたいと思うのであれば、私は、ご自身が回答を話している様子を動画に撮って見返してみるということでも多少はわかると思います。自分で話している時の感じ方と、動画を見た時の感じ方は、おそらくずいぶん違うと思います。「これはなんとなく印象が悪いんじゃないかな」と思ったり、「すごく良い内容を回答しているつもりだったけどあまり内容がないじゃん」といったことに気づくこともあるだろうと思います。ただやはり自分でやるのはなかなか難しい面もありますから、誰かに見てもらうのが良いと思います。

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今日は、「面接がうまくいかない理由を勘違いしていないか」というテーマでお話ししました。

 

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