面接でありがちな印象の悪い話し方19選

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この記事では、比較的多くの人が該当する可能性のある、面接での印象の悪い話し方について説明します。筆者が採用担当者をしていた時、また、面接対策をさせていただいた際に良くみられるものをまとめたものです。

面接対策は「上手い人」を真似るのではなく改善点の修正に集中する

常々思っているのですが、面接対策は誰か「面接の上手い人」を真似ようとするのではなく、自分の改善点を見つけて修正していくことが大切です。就活・転職活動・公務員試験における面接は言うまでもなく、その人の人材価値を見極めるための選考ですが、一定の基準によって選考されているとはいえ、その表現は個々異なるはずのものだからです。誰かをモデルとしてそれに近づこうとすると、本来自分の持っている良さが失われてしまう可能性もあります。

例えば、面接が器用にこなせるようなタイプではないけれど誠実な人柄は伝わる、といった人が、回答は立て板に水、表情は洗練されていて、まるでマナー講師のようにそつなく振る舞う人を真似しようとすると、せっかくの誠実な人柄が伝わらなくなってしまう場合もあるのです。

したがって、「上手い人」を真似しようとするのではなく、良くない部分を直していくという考え方で対策を行うべきです。こういった観点で、面接でありがちな「印象の悪い」話し方の例を挙げていこうと思います。「印象の悪い」というのは、一般的に採用側が好まないタイプの人だと思われるような話し方を指します。

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面接で採用側が好まない悪い話し方19選

それでは、就活・転職活動・公務員試験の面接で採用側が「印象の悪い」と感じる話し方について挙げていきます。ここでは、話の内容や組み立て方・構成などについては触れず、ぱっと見ですぐにわかるような外形上の悪い例を挙げます。回答内容についてはまた他の記事で書こうと思います。

表情や動作の問題

まず表情や動作に関する問題です。

視線が相手に向いていない

他者とコミュニケーションを取るとき、視線はとても大切です。質問者の目をしっかりと見て答えることで、質問者と正面から向き合い、しっかりとコミュニケーションしようという意思を伝えることができます。

まったく相手を見ないというのは論外ですが、面接時には考えながら回答する際につい視線が横や下、斜め上などに向いてしまうことがよくあります。人間ですから何かを考える際に視線がそれてしまうことはあることですし、質問者の目から一瞬も目をそらさず「ガン見」するのもちょっと怖いので、程度の問題なのですが、あまり頻繁に質問者から視線を離し過ぎるのは良くありません。

普段相手の目を見て話しているような人でも、面接の際には質問者から視線が離れてしまうことは良くあります。やはり緊張していたり、うまく答えたいという想いが強かったりすることが影響するからです。しかし、話す内容そのものよりも、面接官の感じる「人としての印象」の方が大切です。きちんと質問者に視線を合わせて話をすれば、「誠実である」「逃げずに正面から向き合う人」といった印象につながります。

したがって、全く目をそらしてはいけないわけではないのですが、大体は質問者の目を見て話すようにしましょう。面接官が複数いるときは、質問を発した人の目を見て話すように心がけ、時々他の人にも視線を配ると良いでしょう。

ただ、相手の目を見続けるのは人によっては辛いこともあると思います。そのような場合は相手の首元あたりに視線を向けるようにすると良いでしょう。だいたい相手の顔あたりを見ていれば、相手は「こちらを見て話している」と認識するものです。

キョロキョロしてしまう

上の「視線が相手に向いていない」とほぼ同じことではあるのですが、少し異なります。上の場合は、相手から視線を離して他の方を向いているということなのですが、この「キョロキョロ」というのは視線があちこちに落ち着きなく動いてしまうことを指しています。

質問者の目から視線を離してしまうことは、比較的多くの人に見られることなのですが、「キョロキョロ」というのは一部の人に見られるパターンです。こういう人は、どちらかというと日常的にもコミュニケーションに自信がなく、普段から相手の目を見て話すのが苦手ということが多いです。日常的にそうなのですから、緊張感のある面接の場では余計そうなってしまいます。

キョロキョロしてしまうと、「対人関係が苦手な人だな」とか、「精神的に落ち着きのない人かな」などといった評価に繋がってしまいますので、これは何としても直したいところです。これを直すのには一定期間の訓練が必要だということもあります。ただ、最も有効なのは「自信をつける」ということです。自信をつけるためには、面接での想定質問に対する回答をしっかりと考えておき、それをしっかりと頭に入れて話す練習をしておくのが最も効果的です。「ちゃんと話せる」という自信が態度にも大きく影響します。さらに、面接回答の中に表現する自分の人材価値そのものに自信が持てるようになれば、より自信は増して堂々とした態度につながるでしょう。

緊張が「暗さ」として表れてしまう

多くの人が面接では緊張してしまうものです。また緊張すること自体は決して悪いことではありません。さらに採用側も面接を受ける人が緊張しているだろうことは重々承知しています。

ただ、緊張してしまうことで表情が暗くなってしまう人がいます。別に「ニコニコとしてて明るいね」と思われる必要は全くないのですが、緊張によって沈んだ表情に見えてしまう人が時々いるのです。

しかし、自然となってしまう顔の表情を意識的に変えるのは容易ではありません。無理に表情を作ろうとすると気持ち悪い感じになるかもしれませんね。したがって、このような場合は、表情そのものではなく、声の出し方、声の大きさなどの方から修正するようにアドバイスすることが多いです。声を張る、声を少し大きめに出す、といったことを心がければ、表情がどうであれそれなりに「前向き」「明るい」という印象に繋がるものです。また、これを実践しているうちに、表情も自ずと明るくなっていくことも多いのです。

うまく答えられないときの表情が悪い

人間誰しも失敗したとき、うまくいかないときに、それが顔の表情に表れてしまうものです。しかし、面接の場で、たとえば何か言い間違いをした際に「しかめっ面」になってしまったりするのは印象が良くありません。また、うまく答えられないような難しい質問をされたときに、険しい表情を浮かべてしまうと質問者に対する不満のように見えてしまうこともあるでしょう。

もちろん、多少困り顔になってしまうなどは、人間として普通の表情なので仕方ありませんし、ことさら直さなければならないわけではありません。しかし、「不快」を表してしまうような表情だけはしないように心がけた方が無難です。

うまく答えられないときにきちんと謝らない

面接でうまく答えられない質問をされてしまい、なかなか答えが出てこないとき、あるいは答えの途中でうまく言えなくて止まってしまう、なんてことは起こり得ることです。もちろんそうならない方が良いのですが、そうなってしまったときのことも考えておいた方が良いでしょう。

うまく答えられないときに大切なことは、自分からきちんと謝ることです。たとえば何かの知識を問うような質問をされた際に答えがわからない場合は、ただ黙っているのではなく、きちんと「申し訳ありません。勉強不足で存じ上げません。」といった謝罪をきちんとすることです。回答の途中で混乱してうまく言えなくなってしまったときも「申し訳ありません。緊張して混乱してしまいました。もう一度言い直させてください。」と自分から謝罪と修正を申し出ることです。

一番良くないのは、沈黙しているうちに面接官の側から「答えられませんか?」「次の質問にいきましょうか?」などと言われてしまうことです。質問を受けたにもかかわらず自分から何のボールも投げ返さず、相手から手を差し伸べてもらうのは、「この問題に対して自分は試合放棄しました」と言っているようなものです。投げかけられた質問に対しては必ず自分で処理しなければなりません。それが「答えられません」という回答であってもです。もちろん、答えられた方がベターですが、きちんと謝罪をすれば傷は最小限に抑えられます。

投げかけらえた質問に対して自分が放棄した結果になると、大袈裟に言えば「うまくやれないことに対して責任を取らない人」といった評価にも繋がります。失敗することそのものよりも、失敗に対してどう対処しているのかも評価の対象になっているということをしっかり自覚しておきましょう。

謝るときにヘラヘラしてしまう

うまく答えられないときや、何か失敗した際に、自分できちんと謝罪をするべきだということは上に述べました。ただ、謝罪をするときの様子も重要です。

失敗したときに、ついヘラヘラとした態度になってしまう人がいます。これは自分のした失敗を自分で「大したことない」と誤魔化すための行動だともいえます。単に照れ笑いという場合もあるでしょうが、いずれにしても、悪い評価につながる可能性のある態度です。

たとえばうまく答えられない時は、面接官の質問を無駄にしているのですから本来は笑い事ではありません。もちろん、面接官も人間ですから、それほど厳密に考えていない場合もありますし、和やかな雰囲気であれば目くじらを立てるつもりもないかもしれません。

しかし、謝るときほど真剣に振る舞うべきです。「申し訳ありません」といった言葉を発する以上、その言葉に見合った態度を取らなければ誠実な人だとは感じられない可能性も高いのです。

また「ヘラヘラ」ではないものの、小さな声で「申し訳ありません…」といった謝罪も良くありません。自分に都合の悪いことを伝える際に声が小さくなってしまうのは、「反省の表れ」ではなく「自己防衛の表れ」だと見えることも少なくありません。

謝罪をするときほど、真剣な表情で、きちんと声を出して話すべきです。

手ぶりが多い

回答をする際に、しきりに手ぶりを使う人がいます。実は私も比較的手ぶりの多い方なのですが、この手ぶり、ほとんど意味がないことが多いのです。

たとえば、何かの形状を説明するために手で形を指し示すなどであれば手ぶりに意味はあります。言い換えれば「回答をよりわかりやすくする」手ぶりなのです。しかし、多くの場合は、自分自身が話しやすいから手ぶりを使っていることが多いです。自分自身では相手に「伝えたい」という想いから出ているものだと感じていることも多いのですが、手ぶりで何かが伝わるわけではありません。それだけでなく、極端に言うと、手ぶりによって相手はある意味「幻惑」されていると感じる場合もあります。

また、緊張しているほど手ぶりが多く出てしまう人もいます。自分の緊張を手ぶりをすることで緩和しているのです。こういった態度は、力のある面接官であれば敏感に察知します。

したがって、手ぶりは「緊張から逃げようとしている」、あるいは「うまく説明しているように見せかけようとしている」といったネガティブな印象に繋がる可能性もあるということです。

誰もが話す際に多少の手ぶりをすることはあります。したがって、絶対にしてはいけないというものではありません。しかし、あまりにも多い手ぶりは、きちんとした面接の場では面接官に不信感を抱かせる原因にもなりえるものです。

手ぶりは最小限に抑え、基本的に手はきちんと膝の上や足の付け根などに置いておくと心がけた方が良いでしょう。

声の大きさの問題

回答する声のボリュームに関する問題です。

全般的に声が小さい

声が小さいことの弊害は、まず面接官が回答を聞き取りにくいということがあります。面接官は回答をすべて聞き漏らさず慎重に聞き取ろうとしていますので、耳を澄まさないと聞き取れないとすればそれはかなりストレスになります。「普段からこんなに声が小さいのか」と思われれば、職場でコミュニケーションを取るのに苦労しそうだと感じる可能性もあります。また、緊張で声が小さくなってしまう人もいますが、声が小さいというだけで、「元気さ」「明るさ」といった評価は得られなくなってしまいます。

面接官が「緊張で声が小さくなっているのかな」と思ったとしても、面接の場でしっかり声を出せないような人は、仕事の大切な場面でも委縮して声が出せない人なのだろうと思われてしまうでしょう。

非常に基本的なことですが、しっかりと声を出すというのはとても大切なことです。

語尾で声が小さくなる

全般的に声が小さくなってしまう人よりも多いのが、語尾の声が小さくなる人です。全般的にはそれなりに声が出ているものの、回答の最後の方になると声が小さくなってしまう「〜です」「〜ます」といった最後の言い切り部分がフェードアウトしてしまうパターンです。

比較的良い答えをしていても、語尾が小さくなると、その答えに「自信がない」とか、「曖昧にぼかそうとしている」といった印象を与えます。面接官としては「その答えを本当に信用して良いのだろうか」と感じてしまうのです。

話しの終わりというのは大切なもので、きちんと言い切るかどうかは回答全体の印象を大きく左右します。最後まで声を出してきちんと言い切るようにしましょう。

口調・表現の問題

語尾が言い切る形になっていない

回答の最後が「〜です」「〜ます」といった言い切りではなく、「〜とか…」「〜だったり…」のように答える人がいます。

このような答え方は、曖昧な印象を与え、かつ回答が終わったのかどうかを面接官が判別しにくいものです。それだけでなく、頼りない印象、場合によっては無責任な印象を与える可能性もあります。

こういった語尾になってしまうのは、回答に自信がない場合が多いのですが、「断定しきれない」回答を面接官なりに解釈して良いように扱ってくれるなどということはありません。思い切った例え方をすると、面接は自分という商品を売り込む場です。「断定できない説明」を聞いて商品を買う人はほとんどいないでしょう。

曖昧な表現をすれば、難しい質問に対する答えとして面接官が許してくれると思うのは甘い考えです。面接ではきちんと自分を売り込まなければならないのですから、自分に関する説明はきちんと最後に言い切る形で終わり、自信をもって面接官にぶつけなければなりません。

早口過ぎる

話すスピードが速すぎると、聞いている面接官はついていくのに疲れます。また、メモを取ったりしていることもあるので、あまりに早口だと回答の一部を聞き漏らしてしまう可能性もあります。相手にきちんと聞いてもらうために適切なスピードというものを意識しなければなりません。

早口過ぎるのは、比較的話すのが得意な人に多い傾向ですが、緊張によって早口になってしまう人もいます。しかし、あまり早口だと、「落ち着きのない人」という印象を与えてしまう可能性もあります。また、早口で話すと、同じ話でも何か言い訳がましく聞こえてしまうこともあります。

伝えたいことがたくさんあり、その全てを限られた時間で伝えたいから早口になるという人もいるでしょう。もちろん、しっかりとした意味のある内容であれば多少の早口は構いません。しかし、多くの場合不要な情報が多いために、話す内容が多くなっていることが多いのです。

限られた時間できちんと自分を表現するためには、情報量よりも、要点を絞ってその内容をしっかり理解してもらう方が効果的です。早口で多くの情報を羅列されても面接官の頭に残るものはわずかです。しっかりとした絞られた内容を、適切なスピードでしっかりと伝えることの方が、面接官の理解も進み、なおかつ人格的な評価も高くなるのです。

話すスピードが遅すぎる

逆に話すスピードが極端に遅いと、面接官はイライラします。限られた時間の中で一定の質問をこなし応募者評価をしたいのですから、時間をかけても少ない情報量から得られないとすれば、それだけで「非効率な相手」だと思われてしまいます。

職場に入れても、何か説明をさせると時間がかかってしまうだろうと判断されれば、適切にコミュニケーションすることはできないという評価に繋がります。話すスピードは人それぞれ個性のあるものですが、面接という場に応じたスピードで話せなければ、状況に応じた行動が取れなさそうだと思われてしまうのです。

どれくらいが適正な速さなのかは、あくまでも印象の問題なので一概には言えませんが、通常のニュース原稿を読んでいるアナウンサーの話すスピードは参考になるでしょう。面接指導ではこの辺の指摘もしますが、自分で判断するのなら、自分が回答している声を録音して聞いてみるのがおすすめです。

無意味な言い直しが多い

面接で回答していると、言い直しをしなければならない場面はあります。全く間違いなく話し続けられる人はほとんどいませんので、言い直し自体が悪いことではありません。

ただ、「無意味な言い直し」というものがあります。たとえば、「私は営業の仕事で、えー営業の仕事でですね」のように言い直す必要がないのに同じ言葉を繰り返す場合、あるいは「客先に訪問した際、お客様を訪ねたときに」のように意味は同じで表現が異なるだけのものを繰り返したりするものです。

こういった繰り返しは単に自分の話の調子を整える意味で行われていたり、話しながら考える時間を稼ぐ意味で行われたりしますが、回答を聞く側からすれば全く意味のないロスに過ぎません。回答を聞きながらストーリーを辿っているのに、何度も立ち止まったり巻き戻されたりすれば、「無駄だ」と感じたり、「イライラする」と感じることもあるでしょう。また、「落ち着きのない人」という印象を抱かれるのは確実です。

このような無意味な言い直しをする人の多くは、普段からこのような言い直しを多用していることが多いです。また、早口で話す人に多い傾向です。

無意味な言い直しを一切やめましょう、とまでは言いません。このような言い直しは通常の会話でもあることです。しかし、これがあまりにも多く出現すると、先に述べたように面接官に悪印象を与えます。

「一発で決める」という意識を強く持つこと、細かい表現ではなく内容が伝われば良いと考えることが大切です。

無意味な言葉「えー」などが多い

話し始めに必ず「えー」をつける人がいます。また、「まあ」とか「そのー」などといった語も多く使われがちです。これらは、会話の中では少なからず出てくるもので、全く使ってはいけないというものではありません。

しかし、普段からこういう語を多用する人は、緊張する面接の場では普段以上に出てしまうものです。少しなら良いのですが、こういった意味のない語を多用されると面接官はそのうち「また、えー、って言ってるよ」などと思うようになります。それが耳につくようになると「不快」に感じる人もいるでしょうし、そうでなくても「えー」ばかり気になって内容が頭に入りにくいと感じる場合もあるかもしれません。

面接官は端的に説明を聞きたいので、できるだけ無意味な語は使わない方が良いのです。自分自身でこういう癖がないか注意深くチェックしておきましょう。

回答中に何度も大きく間が空いてしまう

質問を受けてから話し始めるまでに大きく間が空いてしまう場合や、回答中、特に文の切れ目で大きな間が入ってしまうような話し方です。

回答しないわけではないのですが、不自然に間が空いてしまうと面接官は不安な気持ちになります。また、間が空いてしまうことによって回答に時間がかかってしまい、面接がリズム良く進んでいきません。面接は「選考」といっても、応募者と面接官との「会話」ですので、リズムが悪いとそれだけで印象が悪くなります。コミュニケーションを取りづらい人というイメージを与えてしまうのです。

このように間が空いてしまう原因の多くは、回答原稿を丸暗記している人が、原稿を思い出すのに時間がかかってしまうというものが多いです。原稿を一言一句再現しようとすると、単なる言い回しにこだわってしまって慎重になってしまうという場合も多いのです。

面接の想定質問に対して回答原稿を用意しておくのは有効な対策です。ただ、丸暗記して一言一句再現しようとすると、かえって回答に詰まってしまうことも良くあることなので注意が必要です。このようなことにならないためには、回答原稿を作成した後は、原稿の一言一句を暗記しようとするのではなく、回答の「流れ」を覚えるようにすると良いでしょう。「流れ」を覚えるというのは、その回答の内容を構成している要素をキーワードで押さえ、その順序を頭に入れておくということです。実際に話す際には、キーワードを予定していた順序で挙げながら話していけば、自然な日本語になるのです。

ただし、極端に人前で話すのが苦手な人などは、原稿を丸暗記しなければならない場合もあります。そのような人は、原稿丸暗記の弊害が出やすいので、完璧な暗記を目指すしかありません。苦手である以上、人一倍の努力が必要なのは仕方のないことです。ただしその場合でも、想定していない質問への回答対応も練習しておく必要はあります。

質問を回答の冒頭に反復してしまう

面接官の発した質問を、回答の冒頭に反復してしまう人は比較的多くいます。たとえば、「弊社を志望している動機はなんですか?」という質問に「私が御社を志望している動機は〜」と回答しはじめる例、あるいは「これまでの経験の中で最も困難だったことはなんですか?」という質問に「私がこれまでの経験の中で最も困難だったことは〜」と回答しはじめるような例です。

面接官の発した質問を繰り返すのは無駄なことです。限られた時間で自分を表現するための回答時間を無駄に使うことになってしまうのです。時間的には大したことはないとしても、面接官にとっては、自分の発した質問をそのまま反復されることに何の意味もありません。1度や2度ならまだしも、質問を発するたびに質問を反復されると面接官は不快に感じる場合もあります。

このようなことになってしまうのは、多くの場合、質問を反復している間に回答を考えているのが原因です。いわば「時間稼ぎ」なので致し方ない面もあるのですが、面接官を不快にしてしまっては意味がありません。

「日本で最も高い山はなんですか?」という質問には「富士山です」と答えるべきです。「日本で最も高い山は富士山です」と答えるのはまわりくどく、無意味な発言を聞かされる気分になります。面接でも、回答そのものを端的に答えるべきなのです。

どうしても面接官の質問後に、ほんの少しでも時間が欲しいと思うのなら、質問の後に「はい」と一言発し、一拍おいて話し始めるような方法を採れば良いでしょう。これであれば質問を反復するのと同じ程度の間を取ることもできますし、面接官が不快に感じることもほとんどありません。ただ、毎回「はい」から始めるとやはり面接官がうざったく感じる可能性もありますので、端的に回答できる場合は何も入れずにすぐに回答をするのがベストです。

無駄に言葉を伸ばしたり無駄な抑揚が多い

「私が-、大学のサークルの部長をやっていたときにぃー」のように語尾を伸ばす話し方は、新卒の方に多いいわゆる若者が友達と話すときの癖でありがちですが、時々営業の仕事をしているような方にもおられます。このような無駄な語尾の伸ばし方は、面接官によっては極端に嫌う場合があります。場に合わせた話し方ができない人だと思われたり「軽い」印象を与える可能性があるのです。

また、文章で表現するのは難しいのですが、「私のこのコミュニケーション能力 ⤴ によって、お客さまのニーズを的確 ⤴ につかみ」のように、強調した部分で極端に抑揚をつけたりするのも場合によってマイナスです。プレゼンテーションの場なのでは有効な場合もありますが、面接は面接官との「会話」ですので、極端に抑揚をつけた話し方だと「演技っぽい」印象を与えたり、場合のよっては「嘘っぽさ」を感じられてしまう原因にもなります。

場合によって強調したい言葉に抑揚をつけることは有効ではあるのですが、やり過ぎると面接官は不信感を抱きます。基本的には自然な会話になるように話しましょう。

話しの長さに関する問題

回答の長さについては、回答内容との関係があるので一概にはいえませんが、ここでは一般的な注意点として挙げておきます。

話が長すぎる

回答の長さに対する評価は、面接全体の流れや質問の内容、回答の内容によって異なってくるので、一概に長い・短いと言えるものではありません。特に、志望動機や自己PR、過去の困難だった体験談など重要な内容で、かつ採用側も一定のボリュームで回答されることを予想している質問については、ある程度の長く答えて構わないものであり、またある程度のボリュームで回答すべきものです。

しかし、一般的・抽象的な内容を長々と話して回答全体が長くなるなど、長い時間をかけて回答しているのに、面接官からすると「その人に関する個性ある情報」を得られないような回答だと、面接官には徒労感が残ります。また、内容が充実しているとしても、すべての質問に対して長々と答えてしまうと、「くどい人」「話の長い人」「端的に説明できない人」といったコミュニケーション能力に対する疑問符をつけられる可能性もあります。

基本的に、自分オリジナルな内容を伝えるために必要な情報以外は簡潔に表現するように心がけましょう。また、事実関係を確認するような質問に対しては比較的簡潔に答え、自分の考えや体験を語ることを予定しているような質問には一定のボリュームで答えるという切り分けも必要です。

話しが短すぎる

逆に、簡潔に答えることを意識するあまりに、あまりにも淡泊な回答になってしまっている場合もあります。特に、採用側から「簡潔に答えてください」と言われた場合に(警察官採用試験などではたまにあります)極端に短い答えになってしまうことがあります。このような場合、親切な面接官であれば、回答に対して深く掘り下げる質問を追加でしてくれますが、すべての面接官がそれをしてくれるとは限りません。また、回答の中に、次の質問を誘引するような「ヒント」が含まれていない場合には、面接官も追加の質問のしようがないということもあります。

たとえば、「スポーツは何が好きですか?」という質問に対して、「サッカーです」とだけ回答すれば簡潔ですが、追加の質問のヒントになるような情報がまったく含まれていないので、「ああ、そうですか」で終わってしまう可能性があります。しかし、「サッカーです。中学時代から大学時代まで部活動で10年間サッカーを続けてきました。」という回答であれば、部活動についての質問を追加ですることもできます。いくら「簡潔に」を意識したとしても、これくらいの情報は提供すべきでしょう。

また、「これまでで一番頑張ったことはなんですか?」という質問に対して、「サッカー部の部活動です」とだけ答えるのも内容が薄すぎます。「サッカー部の部活動です。特に高校3年生の時に副キャプテンとしてキャプテンとメンバーの間を橋渡しすることを意識し、チームがまとまって県大会2位になれました。」といった情報ぐらいは必要です。欲を言えば「どう橋渡しの努力をしたのか」といった努力の中身まで話すべきなのですが、「簡潔に」というプレッシャーがある際には、上記のような内容程度まででとどめておくということもありうるでしょう。それでも、「サッカー部の部活です」と答えるだけでは、「部活をがんばったんだな」という情報だけが伝わり、リーダーシップや協調性などの自分の能力・実績を伝えることはできません。

話の長さは何を表現するかによって変わるものですし、自分が伝えたい「強み」をどこに置くのかによって、どの質問に対してボリュームのある回答をするかは変わってきます。しかし、どのような質問に対しても、その回答で自分の何を表現しようとしているのかを意識し、その短い回答だけでそれが伝わるのかどうかという観点で吟味すべきです。

まとめ

ここに挙げた例を機械的に当てはめて良し悪しを判断することはできません。たとえば、話の長さはそのような質問に対する回答なのかによっても適正な長さは異なり、また自分の「強み」をどこに置くのかによっても異なります。ただ、ここに挙げた内容は一応の目安にはなります。

ポイントは、まず面接官にとって聞きやすいかどうか、不快にならないかどうかです。これはある程度の経験がないと判断できない面もあり、弊社の面接指導ではもちろんこれらの基本的な話し方についてもチェックはしていますが、たとえば自分の回答を録音して聞き直すだけでも判断できるものはあります。

是非これらの点には留意をしつつ面接対策を進めてみてください。

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