新型コロナウイルスで就活はどうする? ~ 情報・WEB対応・面接 ~
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新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて、就活イベントは大幅な変更を余儀なくされています。既に前倒して採用活動を行っていた企業は別として、多くの企業が予定していた3月以降の企業説明会等のイベントは中止が相次いでおり、就活生もスケジュール修正しなければならなくなっています。
このような状況を受けて、就活生の中から不安な声が上がっています。しかし、条件は誰でも同じ。落ち着いて状況に合わせた就職活動を行うようにしましょう。
就活の新型コロナウイルス対応策の柱は4つ
日本中で新型コロナウイルス感染拡大が懸念されている現在、就活生が就活で気を付けるべき点は大きく次の3つです。
- 自分自身が感染しないように気をつける
- 情報は自分から取りに行く
- WEB対応の準備をする
- 面接の対策を万全にする
自分自身が感染しないように気をつける
まず、自分自身が新型コロナウイルスに感染しないように気をつけましょう。体調不良で就活に影響が出てしまうのはもちろんですが、感染してしまうと他に感染させないために、最低でも潜伏期間と言われている14日間は外出できなくなり、就活に大きな影響を及ぼしかねません。
また、もし感染を知りながら無理を押して行動してしまうと、他の人に感染を広げてしまうかもしれません。新型コロナウイルス感染症は感染しても軽症のことも多く、特に若い人は重症化する可能性は低いと言われていますが、ハイリスク者への感染の起点に自分がなってしまえば、他の人の命を危険にさらすことにもなりかねません。また、若い人は重症化しにくいと言っても、実際には日本でも20代の方が重篤化した例は報告されています。ご自身や周囲の人たち、あるいは他人の生命や健康を第一に考えなければなりません。
そのためには、基本的な予防行動を徹底することです。
問13 感染を予防するために注意することはありますか。心配な場合には、どのように対応すればよいですか?
まずは、一般的な感染症対策や健康管理を心がけてください。
具体的には、石けんによる手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒などを行い、できる限り混雑した場所を避けてください。また、十分な睡眠をとっていただくことも重要です。
また、人込みの多い場所は避けてください。屋内でお互いの距離が十分に確保できない状況で一定時間を過ごすときはご注意下さい。
情報は自分から取りに行く
これは就活では基本ですが、合同企業説明会などが中止されている中、自分が現時点では知らない企業との接点をどう見つければ良いのか、そのような企業の採用スケジュールがどうなっているのか把握しにくい、といった例年とは異なる状況が生まれています。「エントリーする企業を見つけられない」あるいは「先が見えない」といった不安は就活生にとっては大きな重圧になっていると思います。
就活情報サイトの積極的な活用
就活情報サイトを利用している人は多いと思いますが、従来の活用方法に加えて、自分自身でエントリーしたい企業がないかを主体的に探すことが大切です。条件での絞り込み検索などに加えて、自分自身の考える各種の条件でワード検索をかけるなど、漫然とサイトを利用しているだけでは出会えない企業などをこまめに探してみましょう。
新型コロナウイルスへの対応で採用選考に変更を余儀なくされて不安に感じているのは企業側も同じです。そのような中、積極的にアプローチしてくる就活生は企業も歓迎してくれるでしょう。
候補が現れたらすぐに選考スケジュールをチェックして、ご自身のスケジュールの中にどう入れ込むか考えましょう。選考に進んでいくために必須条件がWEB説明会への参加となっている場合もありますので、そのような情報をしっかりと確認しておきます。
キャリアセンター・就職課の積極的な活用
大学のキャリアセンターや就職課には、求人企業からの情報が集まっています。また、職員の方々も時々刻々と変わる企業の動きをリアルタイムで把握していることが多いでしょう。したがって、キャリアセンターや就職課の掲示物等を確認するだけでなく、職員の方に積極的に質問・相談をして、就職戦線の現状を教えてもらうことも有効な対策になるはずです。
WEB対応の準備をする
新型コロナウイルス感染防止のための対応として、下記のような対応をしている企業が増加しています。
- 会社説明会をWEB開催に切り替える(録画配信・ライブ配信)
- 書類選考に動画選考を追加する
- 面接をオンラインに切り替える(WEB)
WEB開催される会社説明会については、多くの場合特別な準備は不要で、PCはもちろん、スマートフォンがあれば参加することが可能だと思います。
また、昨年頃から増え始めていた「動画選考」という方法を導入する企業も増えています。直接会う機会を減らさざるを得ない現在の状況の下、書類だけではわからない人材の特性を理解するために、就活生に自己PR動画などを作成してもらい、それを応募書類とともに提出してもらうというやり方です。動画選考については、企業によってやり方が異なるので、実施要項をしっかりと確認しましょう。動画選考について詳しく書いた過去記事もご覧ください( 動画選考(自己PR動画・志望動機動画)を突破するコツ ~新型コロナウイルス感染拡大で導入企業が増加~ )。
また、個別面接についてもオンライン面接に切り替える企業が増加しています。これまでは一部の外資系企業や、在外学生向け、あるいはベンチャー企業などでの利用が中心でしたが、新型コロナウイルス対応で導入企業は一気に増えています。現在のところ、1次面接での利用が中心で、最終的には直接会いたいという意向の企業が多い印象ですが、今後の感染拡大の状況によってはオンライン面接だけで完結してしまう可能性も皆無ではありません。WEB面接だからといって気負う必要は全くありませんが、WEB面接特有の準備や注意点があります。WEB面接について過去記事もご覧ください( Skype等でのWEB面接(オンライン面接)における注意点 )。
面接の対策を万全にする
就活の成否を決める大部分を占めるのが面接ですから、どのような状況であっても面接の対策は大切です。ただ、新型コロナウイルス対策として選考プロセスが簡略化される傾向にある中、たとえば実施される面接の回数が減少したり、OB・OGとの面談などの機会が減ったりという可能性はあります。こうなると、限られた面接機会での評価が選考に与える影響は通常よりも高くなります。いわば「前情報」なしに面接で人材を確認することも多くなるため、就活生としても少ない機会で自分をしっかりとアピールしなければなりません。
また、オンライン面接においては、直接会う面接に比べて、面接官が得られる「非言語的」な情報はどうしても少なくなります。もちろん、表情や動作などの「非言語コミュニケーション」はオンライン面接でも非常に重要な要素ですが、やはり直接会うのに比べると情報量は減少し、「言語コミュニケーション」の比重が少し高くなると思います。特に「会えば好印象を持たれる」と自信を持っている人は、オンライン面接でもそれが保たれるかどうかについてはよく留意しておく必要があるでしょう。一方、面接が「苦手」と感じている人にとっては、オンライン面接はチャンスになる可能性もあります。面接が苦手な人は「あがり症」であることも多く、企業を訪問して待合室で待機し、面接室に入室するというプロセスで緊張が最大に高まり、力を発揮できないということがありますが、オンライン面接であれば緊張を緩和できる可能性は高いです。ですから、チャンスを有効に活かすためにも、面接の対策を万全に行っておくと良いでしょう。
この状況を前向きにとらえて
新型コロナウイルスの感染が拡大していること自体は非常に心配なことです。また、就活にその影響を受けている就活生の不安は当然のことだと思います。
ただ、新型コロナウイルス対策として企業が選考プロセスの見直しをしていることは、就活生にとって必ずしも悪いことばかりではありません。WEB説明会でエントリーが済むのであれば、時間や交通費の節約も可能で、効率的な就活を行えます。スケジュールの調整上エントリーできなかったような企業にエントリーできる可能性もあります。
さらに、たとえば動画選考の導入で、書類だけだと選考不通過になっていたような人が選考を通過できる可能性もあります。オンライン面接について上述したように、面接な苦手な人がオンラインであれば力を発揮しやすいということも起こりえます。
新型コロナウイルスの影響を受けているのはどの就活生も同じです。この状況を単にマイナスにとらえるのではなく、やれることをしっかり探して前向きに行動しましょう。また、何よりも体調に十分気をつけましょう。
早稲田大学法学部卒業。大手資格就職予備校にて法律科目およびESシート作成・面接指導専任講師として約13年勤務。大学でのセミナー実施多数。面接指導担当者の研修にも従事。民間企業で人事採用面接を7年間担当。面接が苦手な方にも寄り添う指導で対応力を引き上げます。