WEB面接でありがちな失敗10選
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ZOOMなどを使ったWEB面接(オンライン面接)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響ですっかり定着しました。就活生にとっては、移動しなくても良く時間も交通費もかからないため応募企業を増やすことができたり、対面するよりも緊張が少なかったりとメリットも色々あります。しかし、オンラインで顔を合わせて話すことに慣れていない人もまだまだ多いため、WEB面接特有の失敗もあるようです。
この記事では、日常的にWEB面接形式で模擬面接を行っている私が実際に体験したことや、ご利用者様からお聞きした内容などから、WEB面接でありがちな失敗を、発生頻度の高い順に挙げていきます。代表的な失敗10選です。
WEB面接で起こりがちな失敗10選
通信環境の失敗
最も多いのはインターネット回線の不調によるトラブルです。現在多くの人がPCやスマートフォンをWi-Fiでネットに繋げていますが、Wi-Fi回線は不安定になることも少なくありません。
全く繋がらないということはないかもしれませんが、通信が低速になってしまい、音声が途切れて聞き取れなかったり、映像が乱れて場合によってはフリーズしてしまいます。
この状態になると、トラブルが発生していること自体を伝え合うのに時間がかかったり、アプリ内ではコミュニケーションが取れなくなってしまいます。
通信回線の不調は、必ずしも応募者の責任とは言えない不可抗力の場合もありますが、採用側からの「どうして万全の準備で臨まないのか」、「慎重さが足りないのではないか」といった評価に繋がる可能性もあります。
Wi-Fiがダメなら4Gに切り替えるという手もありますが、月末などでパケットを使い切ってしまい低速接続になっているというようなトラブルもあります。また、4Gでも繋がりにくい場所はあります。
最も良いのはPCを有線LANで接続することですが、いずれにしても、インターネット回線の不調はWEB面接を中止にせざるを得なくなるような深刻なトラブルです。
事前にWi-Fiがしっかり繋がる場所、4G通信が良好な場所など室内の状況を把握して環境を整えておくことが大切です。
映像の失敗
映像の失敗には大きく分けて、機器の映像機能自体のトラブルと、映りこむ自分の姿や室内の状況の2つがあります。
機器のトラブル
機器の映像機能のトラブルは、単純に「映像が来てないですよ」と言われるパターンです。
多くは、単にアプリ上の映像ボタン(通常はカメラのマーク)の押し忘れや誤ってカメラをオフしてしまうパターンで、これならすぐに解決します。
また、スマホやPCのカメラの設定で、アプリのカメラへのアクセスが「許可しない」になっている場合もあります。これらも設定で直るのでさほど深刻とは言えないかもしれません(設定方法は事前に把握しきておき、きちんと「許可」しておきましょう)。
深刻なのは、繋いだWEBカメラをPCが急に認識しなくなるパターンです。このパターンは、その原因を特定するために時間がかかり、原因がわかっても一般の人では対処しきれない場合もあります。WEBカメラの多くはUSB接続ですから、この状態に陥ったらまずはUSBポートからWEBカメラを抜き、再度接続してみるというのがまず最初にやることですが、それで解決しないとなると簡単には復旧できないことも多くあります。
WEBカメラは商品によって断線しやすいものも多いので要注意なのですが、一番良いのは、早い時間からWEBカメラが機能している状態にして待機しておくことですね。
映りこむ映像のトラブル
実際にWEB面接用のアプリを使用することなく本番を迎える強者はなかなかいないとは思うのですが、「自分がどう見えているか」に無頓着な人が時々います。
たとえば、スマートフォンやノートPCなどを使っている場合、自分の顔を見上げるような位置にカメラがあるような人もいます。相手からはこちらを見下ろしているように見えたり、鼻の穴ばかい目立ったり、といったこともあります。また、カメラが近すぎて画面いっぱいに顔があふれんばかりになっているような人もいます。適切な距離や角度を考えてしっかりセッティングしておきましょう。
また、映像の明るさにも要注意です。光源の位置や室外の明るさによって、顔が真っ黒になり、表情の変化がほとんど見えないようなこともあります。
さらに、室内で映り込む物についても注意が必要です。コアな趣味のグッズが映りこんでいたり、洗濯物の下着が映りこんでいたりするのは印象の良いものではありません。すっきりとした背景になるように留意しておきましょう。
音声の失敗
これも機器のトラブルと、無用な音声が入ってしまうトラブルがあります。
機器のトラブル
音声の失敗は、こちらの音声が相手に届かない場合、相手の音声がこちらに届かない場合、届いているが音量が著しく小さい場合、などがあります。
これらもまずはアプリ上で「ミュート」になっているという単純ミスがないかをチェックしましょう。また、アプリからのマイクへのアクセスを「許可しない」にしている可能性もカメラの場合と同様にあります。
また、PCでは音量コントロールの設定に問題がある場合もあります。音量ミキサーやデバイスの設定などをしなければならない場合は面倒です。
また、マイク付きイヤホンを使う人も多いと思いますが、イヤホンやマイクのボリュームの設定がおかしくなっていることもあります。
こちらも事前にテストして、きちんと機能する状態で待機しておくことが大切です。
入りこむ音のトラブル
これは、他の家族にしっかりと伝えていなかったために、家族の出す生活音や会話の声などが入ってしまうパターンです。事前に家族に面接スケジュールを伝え、その間は静かにしておいてもらうようにしましょう。
充電切れの失敗
たとえばスマートフォンやノートPCで、面接中に充電切れをおこしてしまうと大変です。充電が切れそうになって「すみません、充電コードをつなげさせてください」といったことは比較的頻繁にあることですが、本番の面接でこのような事態は避けたいですね。「事前準備がなっていない」と思われる可能性もあるからです。
充電はしっかりしておくことが大切ですが、充電コードを繋いだまましっかりセッティングできるように環境を整えておく方が良いでしょう。
通知音の失敗
直接対面する面接の際には、スマートフォンをマナーモードにしたり電源を落としておく人も多いと思うのですが、WEB面接だとつい油断してスマートフォンの音がなってしまうこともあります。WEB面接で使用されるオンラインミーティングのアプリでは、アプリ使用中には通知音がミュートされるようになっている場合もありますが、必ずしもそうでない場合も多いので、事前に通知音が鳴らないようにしておきましょう。また、WEB面接をスマートフォンを使って行う場合は、バイブレーションも相手にはわかってしまう可能性が高いので気をつけておきましょう。
服装の失敗
さすがに採用面接に、「上半身はスーツ、下半身はジャージ」といった姿で臨む人はいないと思うのですが、自宅だとつい油断してしまう人もいるかもしれませんね。しかし、何かの拍子にジャージなどが映りこむことも皆無ではありません。こうなると「こいつ、舐めているな」と思われる可能性は大です。
視線の失敗
これは厳密な話ではないのですが、相手と視線がぴったり合うのは、視線がカメラに向いている時です。PCの画面に映っている相手の目を見ても、カメラがそこよりも上にあれば、下方向に視線が向いているように見えます。
スマートフォンであればさほどではありませんが、大画面ディスプレイの上部にWEBカメラをつけているような場合は、視線のズレは大きくなります。
WEB面接なので、面接官がそのこと自体を咎めるようなことはないと思いますが、ずっと視線がずれていると、コミュニケーションへの満足度が下がってしまいます。カメラの位置に視線を向けるように意識した方が良いでしょう。PCなどだとカメラレンズの位置に印をつけておくなどするのは一つの方法です。
カンペを使って失敗
WEB面接だとカンニングペーパー(カンペ)を使えるのではないか、と思う人は一定数います。実は下記の記事にも多数のアクセスがあります。
参照記事でも書いていますが、私はカンペを使うことは推奨していません。相手にバレずにカンペを使うことは至難の業です。また、「何か見ているな」と思われると、それだけで致命的なマイナス評価に繋がるリスクもあります。
どうしても使いたければ、キーワードだけ大きくメモして、カメラの後ろ側に貼り付けておくぐらいでしょう。文章を書いたカンペを使って自然な面接を行うというのは全く現実的ではありません。
突然の訪問者
WEB面接中に、たとえば宅配便の配達でインターホンがなる場合があります。また、急に友人が訪問してくることもあるでしょう。同居人がいれば対応してくれるでしょうが、一人暮らしの場合は、訪問者が諦めるまで何度もインターホンを鳴らされてしまうこともあります。そうすると、面接官が仕方なく「出ていいですよ」と言ってくれることもありますが、あまり良い印象は与えません。
面接中に訪問者に対応するわけにはいかないので、面接中はインターホンの音は消音にしておくのが良いでしょう。ドアのノックも無視です。
トラブル対応の失敗
万一、通信回線の問題や、機材トラブルなどが起こったとき、どのように採用側と連絡を取りリカバリーするかが大切です。映像や音声の問題が生じた際に、状況を説明し、どう対応するのかの連絡を取り合う手段を良く把握しておきましょう。
トラブル時の対応方法まで事前に連絡してくれる企業もあり、「アプリのチャット機能で連絡」、「メールで連絡」、「担当者への電話で連絡」など指定されている場合もあります。その場合はその指示にしっかりと従って対応します。
そのような事前連絡がない場合は、エントリーして面接の連絡が来るまでに使ったツール、多くはメールだと思いますが、そのツールを使って連絡するようにします。
最悪なのは、自分自身がその連絡手段にすぐにアクセスできなかったり、連絡方法の案内を探すのの時間がかかったりして、採用担当者に全く連絡がつかない時間が経過してしまうことです。万が一の時にはどうするのか、を事前にしっかり把握しておかないと、「対応力がまったくない人」という印象を与えます。特に「面接するぞ」と考えている採用担当者にとって、面接自体が実施できないかもしれない、というのは大きなストレスです。そのようなストレス下で、まともに連絡も取りあえないとなれば、ストレスはマックスに達し、悪印象に繋がります。
万が一のことも考えておくことは大切です。
事前のシミュレーションが大切
WEB面接でありがちな失敗を見てきましたが、これらの失敗を防ぐために最も大切なことは事前にシミュレーションです。
WEB面接で使うアプリをインストールし、家族や友人にもそのアプリをインストールしてもらい、繋いで試してみます。きちんとカメラやマイクは機能するか、映像の角度や照明、背景は大丈夫か、相手に聞こえる音量は大丈夫か、こちらもきちんと聞こえるか、通信回線は良好かなど、ひと通りのことをチェックしておきましょう。
また、WEB面接本番の日には、早めの時間に機器を起動してネット回線に繋ぎ、カメラやマイクが正しく機能することを確かめて、そのまま待機しておくようにしましょう。
色々と失敗を見てきましたが、きちんと準備をすれば不安になることはありません。WEB面接は応募者にとってもメリットの多いものですので、事前の準備を怠らず、前向きに取り組んでください。
早稲田大学法学部卒業。大手資格就職予備校にて法律科目およびESシート作成・面接指導専任講師として約13年勤務。大学でのセミナー実施多数。面接指導担当者の研修にも従事。民間企業で人事採用面接を7年間担当。面接が苦手な方にも寄り添う指導で対応力を引き上げます。