公務員試験における面接とは ~実施方法から対策の概略を説明~

どの公務員試験でも、最終合格に至るためには面接試験を突破しなければなりません。また、随分前から公務員試験での面接重視の傾向は強まっており、どんなに筆記試験の成績が良くても面接での評価が低いと最終合格するのは難しくなっています。

ここでは、公務員試験における面接試験の概要を説明し、対策法についても触れていきます。

面接試験の種類

面接試験あるいは人物試験といわれるものにはいくつかの種類があります。主に、個別面接、集団面接、集団討論(グループディスカッション)です。稀に集団活動(グループワーク)と呼ばれるものが課される場合もあります。

ほとんどの場合、集団面接や集団討論などが先行して行われ、個別面接はその後実施されることが多くなっています。個別面接は異なる面接官で複数回行われる場合もあります。

個別面接

個別面接の図

個別面接は、受験者1名に対して面接官3~5名程度で実施される面接です。

受験者1名からじっくり回答を聞くことで、その人の能力・性格・熱意などをチェックし人材価値を確かめる選考です。1人ひとり面接を行うので、受験者の履歴についても詳しく質問ができます。また、自らアピールする時間をしっかりとってもらえることも多くなっています。

所要時間は試験により異なりますが、概ね15~40分程度です。

多くの試験では個別面接は選考の最終段階で行われることが多く、選考通過の最も大きなヤマ場だと言えるでしょう。

集団面接

集団面接の図

集団面接は、複数(3~10名程度)の受験者を集めて、同時に面接を行うやり方です。

受験者をふるいにかけて個別面接に進ませる人を選択するために行われることが多く、複数の受験者の中で比較した評価を出しやすいのが特徴です。

所要時間は30~60分程度ですが、受験者の数によっては1人が回答できる時間は限られています。そのため面接官から「簡潔に回答するように」という指示がされることも多くなっています。

回答の方法は、面接官が指名する場合と、回答できる人から挙手で答える場合とがあります。

集団討論(グループディスカッション)

集団討論の図

集団討論は、与えられた課題に対してグループで討論を行い意見をまとめていくプロセスを面接官が観察し評価する選考方法です。

課題は事前に知らされている場合もありますが、討論開始時に知らされる場合も多くあります。また、討論の進行に面接官が関わることは原則としてなく、受験者の自主的な進行に委ねられます。試験によっては「司会役」を最初に決めることを求められる場合もありますが、そのような指示は行われない方が多くなっています。

また、グループとしての結論を決めることを求められる場合と、結論を出す必要はないとされる場合があります。

集団討論では、グループで協力し合って結論に向かっていくプロセスに対し、いかに貢献できたのかという点が最大の評価ポイントです。

集団活動(グループワーク)

グループワークがどのようなものなのかについては幅があります。一般にグループワークはある成果を目指してグループで協力し合って作業し、その成果を提出する、というようなものを指しています。

もっとも、公務員試験においてグループワークと呼ばれるものの多くは、上に説明した集団討論(グループディスカッション)とあまり内容は変わりません。呼び方の違いだと考えても良いでしょう。

※ 入試系の試験でグループワークと呼ばれる場合は、「共同で○○を作りなさい」といったまさに集団活動とも言うべき内容で行われることも多いです。しかし、公務員試験ではそのような方式で行われることはほとんどないようです。グループディスカッション、グループワークといった名称で実施される試験については、具体的にどのような内容で実施されるのかを募集要項などできちんと確認しておくようにしましょう。

面接カードもおろそかにできない

多くの公務員試験では、面接時に面接官が手元において使用する「面接カード」を提出することになっています。

面接カードは筆記試験の合格通知とともに受験者に送付し事前に提出を求めたり当日に提出させたりする場合と、面接試験日に記入させる場合があります。また、出願の際の申込書(エントリーシート)が面接カードを兼ねているような試験もあります。

面接カードは、それ単体としては評価の対象にはなりません(出願書類を兼ねており、かつ、書類選考の対象となる場合は除く)が、かといっておろそかにして良いものではありません。面接時に読みやすく内容を把握しやすい面接カードを見れば、それだけで面接官の印象は良くなります。また、口頭での回答と面接カード記入事項の間に矛盾があると、面接官は不信感を抱きます。

一方、面接カードに評価してほしい内容をすべて詰め込もうとして冗長になるのも良くありません。前述のとおり、面接カードはそれ単体として評価の対象になるのではなく、実際の面接との関係で評価に含まれるものだからです。したがって、面接カードには比較的簡潔な表現で読みやく記入すること、実際の面接でアピールしたいことを回答できるようなヒントになることを記入することなどが重要です。

面接ではどんなことが質問される?

面接で質問される事項は試験によって異なりますが、多くの試験で共通して質問されるような事項はあります。主に以下の項目については質問される可能性が高いと考えておいた方が良いでしょう。

  1. 志望動機
  2. なぜこの自治体(またはこの機関・組織)でなければならないのか
  3. 採用されたら具体的に何の仕事をしたいのか
  4. その自治体や機関の実施している政策・取組で注目しているものは何か
  5. その自治体や機関にとって今後行政上の課題となることは何か
  6. 他の公務員・民間に対する併願状況
  7. 学生時代の専攻内容
  8. 学生時代に学業以外で力を入れたこと
  9. サークル活動・アルバイト・ボランティア活動の経験
  10. 現職・前職での成果(転職者の場合)
  11. チームで何かを成し遂げる上で大切なものは何だと思うか
  12. リーダーシップを取ることができるか
  13. これまでの経験で最も困難だったことと乗り越えた方法
  14. 長所・短所
  15. 周囲からどう思われているか
  16. 趣味・休日の過ごし方
  17. 最近気になったニュースとそれへの感想
  18. 上司と意見が食い違ったらどのように対応するか
  19. 自己PR

公務員試験の面接対策で重要なこと

最低限のマナーはおさえておく

まず、面接試験はマナーの試験ではありませんから、細かいマナーについて神経質になる必要はありません。例えば、ノックの回数は3回と言われていますが、それが2回になったとしても何ら影響はありません。

しかし、面接は面接官が受験者を観察して評価するものですから、やはり受験者の与える印象は評価に影響します。あまりにもマナーがひどいとそれだけで印象が悪くなってしまうのは当然です。

大切なことは、面接官に対して敬意をもって接し、礼儀を尽くそうとしているという姿勢が感じられるように振る舞うことです。そのような想いで振る舞えばほとんどの場合問題は生じませんが、中には悪印象を与えてしまうような立ち居振る舞いになってしまうような人もいます。したがって、そのような点がないかどうかは事前に第三者のチェックを受けておいた方が良いでしょう。

面接におけるマナーについての考え方については下記の別記事をご参照ください。

別記事: 面接のマナーに対する考え方について

応募先の研究

応募先(自治体や機関・組織)にぜひ採用してもらいたいという想いを具体的に示すためには、応募先のことを知らなければなりません。好きな相手に告白しても、相手のことを何も知らなければ、相手は本気だと思ってくれないのと同じです。

したがって、応募先の現状、政策や取組、抱えている課題などについては、ある程度詳しく知っておく必要があります。これらを調べて行けば、例えば自治体の人口動態についても知ることになるでしょうし、特徴的な政策や取組についても知ることになるでしょう。そして多くの場合、これらには「○○プラン」のような名前がついているはずです。

このような具体的な内容をうまく取り込みながら回答をしていくことが大切です。「志望動機」、「やりたい仕事」、「注目している政策・取組」、「行政上の課題」などの質問に対しては、特にこれらの応募先研究が効果を発揮します。

一例として志望動機の作り方について説明した別記事へのリンクを下に置いておきます。

別記事: 志望動機の作り方と伝わる構成【例文あり】

自己分析(過去の経験を棚卸する)

自分をアピールするものは過去の自分でできています。過去に経験したこと、過去に努力したこと、あるいは過去に挫折したことなど、これまでの自分の中にあるものの中からアピールポイントが出てくるのです。

それは、スキル・能力というようなものであることもありますし、考え方、物事への取り組み方といったものであることもあります。たとえば「努力します」といくら意気込みを語ったとしても、それが過去の経験などから裏打ちされていなければ単なる空虚な宣言に過ぎなく見えます。

また、「なぜこの自治体なのか」、「なぜこの組織なのか」、「なぜ公務員なのか」、「なぜその政策に取り組んでみたいのか」なども、漠然とした意義を語るだけではたりません。ご自身の過去の経験やその経験から形作られた考え方などと、これらが繋がっていることを説明する必要があるのです。

したがって、面接の回答を考える際には、自分自身の過去を棚卸して、どの経験がどんな能力に繋がっているのか、どの経験がどんな考え方や姿勢に繋がっているのかを整理しておく必要があります。

これらのことを行うことによって、面接を通じて自分の何を強みとして訴えるのかが整理され、予想しないような質問をされても適切に答えることができるようになるのです。

ここでは、一例として自己PRの作り方について説明した別記事へのリンクを置いておきます。

別記事: 自己PR作成の基本

伝わる表現方法

面接では、限られた時間で回答して真意を伝えなければなりません。したがって、面接官に最も良く伝わる回答の構成や話し方を選ぶ必要があります。

これについては、例えば「まず結論を述べる」ということを気を付けるだけでも効果があります。質問に対する回答の結論が回答の最後に来るようでは、面接官は聞くだけで疲れてしまうということもあります。

また、結論を根拠づけるために何を話すのか、たとえばどんなエピソードを選択して話すのかなども良く考えないと、散漫でわかりにくい説明になってしまいます。結論を根拠づけ、自分自身をアピールするのに最も有効な内容で、なおかつ、面接官に伝わりやすい内容をチョイスする必要があります。

これについては、下記の別記事の中に「時系列の物語形式で回答して理解するのが面倒」「抽象的・一般的な説明ばかりでリアリティがない」といった内容を書いていますので参考にしてみてください。

別記事: 面接で失敗が続く時にチェックすべき9個のポイント

見た目の印象も軽視できない

面接では回答内容を評価しているだけでなく、回答しているときの様子も評価の対象になっています。わざわざ対面して面接を行うのは、言語的なコミュニケーションだけでなく、非言語的な面についてもチェックしたいと考えているからです。

たとえば、難しい質問をされて答えに窮したときどのような表情をするのか、また、緊張しているときにそれをどのように乗り切ろうとしているのかなどは重視されています。また、少しきつく突っ込んだ時に声が小さくなってしまったり語尾が曖昧になったりすれば、それは確実に悪印象に繋がります。回答そのもの以外にも面接官は目を光らせているのです。

そのため、想定質問に対してしっかりとした回答原稿を用意し、徹底して頭に入れたとしても、それだけで合格できるとは言えないのが面接です。ある意味、回答内容よりも、直接会って観察してわかるその人の「印象」というものが大きく評価に影響することは知っておきましょう。

このような非言語的な面については、自分自身ではマイナスに気づくのが難しいという面があります。事前に第三者に評価してもらうことが大切です。

これについては、下記の別記事が参考になるかと思います。

別記事: 面接での立ち居振る舞い・表情などについて